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101番目の舶ィ語
第十八話。死の予兆
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きっと出来る。
出来るはずなんだ。俺は『不可能を可能にする男』なんだから。
だから俺は試すことにする。自分のロアの力を。

「なあ、音央」

「何よ?」

「俺のこと信じられるか?」

俺の問いかけに一瞬、言葉を詰まらせた音央だが、俺の顔をジロリと睨むように見つめると。

「はぁ……あんた、やっぱりバカでしょ?」

呆れたように溜息を吐きながら呟いた。

「え?」

「あたしを信じられる、モンジ?」

「うん? そりゃあ可愛い音央の言うことなら全力で信じるさ。その方が楽だしな?」

ヒステリアモードだから、女性を疑いたくないってのもあるが、何より……疑ったり、心配したりするよりも、信じる方が俺には楽だ。それに武偵憲章にもあるしな。『仲間を信じ、仲間を助けよ』と。

「そうね。じゃあ、あたしにも楽させなさいよ」

音央はニッコリ笑うと、俺の腕に身を寄せてきた。

「あたしはあんたを信じる方が楽なの。疑ったり、不安になったり、心配したりなんて、正直美容に悪いからしたくないのよ。だから、あたしが危ないかもしれないと思うなら、必ずなんとか出来るように、あたしにあんたを信じさせなさい」

あくまで強気に語る音央を見て笑ってしまう。その言葉の意味は一つ。『俺を信じたい』ということなのだから。

「解った。何があっても俺を信じてくれ、音央」

「解ったわ。生涯何があってもあんたを信じるわ。だから……ちゃんと楽させなさいよね」

音央がポンっと俺の胸を叩くと、叩かれたところから熱い気持ちが生まれた。
こいつを何がなんでも守ってみせる。こいつと共に勝利してみせる!
そんな決心をさせてくれた。

「よし、もう飛べるか?」

「ん? OKよ。どこに行けばいい?」

「俺の後ろで、俺を支えてくれ! 俺の勇姿を見守っていてくれ」

音央の背に再び妖精の羽が生えた。それと同時に音央は俺の手を離れて背後に回ってくれた。
俺は背後にいる音央の存在を感じながら、そのまま、アリサが構える砲口の前までふわりと移動した。
そんな俺の行動に、スナオちゃんは驚いた顔をするのと、理亜が息を飲む姿が目に入る。
だが、かなめとジャンヌは『やっぱりね』と言った瞳を向けてきた。
今からやることを察してるみたいだ。

「へえ、なんだ。殺る気に満ちた顔してるじゃないか、ハンドレッドワン(エネイブル)

「殺る気はないさ。これでも元武偵だからね。不殺を信条にして戦うことには変わりはないよ。ただ……」

「ただ?」

「もう後には引けないからね。例え負ける戦でも男には戦わないといけない時がある。
それは______今だ。女を守る時だからね。それにここで引いたら、死の運命を覆すことやら、理亜の信用
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