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101番目の舶ィ語
第十七話。予兆の魔女
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サも変わらず、同じらしい。

「一番興味深いのは……お前さんの『死の予兆』が塗り変わったことだ。さっきまで、いつ死んでもおかしくないくらいだったのに、ロアになった途端、いつ死ぬのか解らないくらいになりやがった。お前さんは自分の運命、物語を自分で創り上げる『主人公』ってことみたいだな」

俺の変化をあくまで余裕な表情で指摘して、把握するアリサ。
確かにアリサの言う通り『人間』一文字疾風の生命力は死ぬ確率が高かったのかもしれない。
だが、『101番目の百物語(ハンドレッドワン)』であり、『不可能を可能にする男』である『(エネイブル)』遠山金次の生命がどうなるのかは、どんな予兆も予言も解らないということなるのかもしれない。
だったら……俺は俺のすべきことをしてやる。
そして、アリサが把握出来るように、俺の脳も今は『ロアの知識』によって理解していた。
今まで謎だった『魔女』アリサの正体が把握出来る!

「人々が不安に思ったり、ジンクスを信じたりする気持ち。そういったものを操る存在が何処かにいるのかもしれない……そんな想いが生んだ『魔女』。それがアリサなんだな」

「ご名答。興味深いな、その姿になった途端に人の認識ではなく、『ロアの認識』で物事を把握出来るようになったってことか。『百物語』とか『煤xとか『千夜一夜』ってのは本当に厄介なロアみたいだなあ」

厄介と言いつつ、その瞳は嬉しそうに輝いてるのはなんでだ?

「リアよ、お前さんの兄さんは、我々の予想を超えるバケモノに進化してしまってるかもしれないぜ?」

理亜はそんな俺の変化を______無表情に、ただ真剣な目で見つめている。
本当はこんな姿は見せたくないが、それでも俺は彼女に伝えたい『想い』があるのだ。
それに、ロアの視点から見ることが出来る俺は、理亜がどんな存在なのかも解ってしまった。
最強の『主人公』として名高い『終わらない(エンドレス・)千夜一夜(シェラザード)』。
だが、そんな最強のはずな彼女には凄い身体能力も、その身を守る能力も実は存在しない。
あくまで理亜が使えるのは『話すこと』だけ、だ。

「モンジ、あたしもいけるわ」

音央に頷き返し、頭の中にある『書庫』のイメージに意識を向ける。
そこには大きな『書物』がいくつもの蝋燭に照らされて大量に浮かんでいた。
その中の一冊に手を伸ばすと、それは『妖精の神隠し(チェンジリング)』の物語だった。
脳の中に『妖精の神隠し(チェンジリング)』の物語が浮かび上がる。『神隠し』ではない、妖精側から見た物語。人に悪戯したり、人を導いたりすることもある身近な存在。そう、俺にとっても身近な少女がその物語のヒロインとして重なった。
その瞬間、この物語が『可能性』に満ちている物語であることを把握す
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