機動戦艦ナデシコ
1432話
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とその場から走り去って行く。
いやまぁ、うん。何をしたいんだろうな、あいつ。
神楽坂の事を諦め切れないのか?
「アスナ、モテモテやな」
「ちょっ、このか。いきなり何言ってるのよ」
「うんー? ただ、アスナはモテモテで羨ましいなーって」
「な、何よ。あんただって……」
そこで一旦言葉を切った神楽坂は、桜咲へと視線を向ける。
その視線を向けられて嫌な予感でもしたのか、桜咲が何か口を開こうとして……
「ま、このかは刹那さんがいるから、将来は安泰だもんね」
「なぁっ! ちょっ、ちょっとアスナさん!? 何故に私に飛び火!?」
「だってこのかの失態は刹那さんの失態でしょ? 恋人なんだし」
「うー、あー……」
何だかいつの間にか話が逸れて、桜咲をからかう感じになってるな。
いやまぁ、別にそれならそれでいいんだが。
桜咲も、普段は凜々しい系の美人でクールビューティと言ってもいいのに、エザリアやエリナと違って少し喋るとすぐにボロが出る。
……そういう意味だと神楽坂も同じ感じか。
こっちは外見だけは誰も文句を付けられないレベルの美人だが、喋ると残念さを露呈してしまう。
いやまぁ、普通に考えればパーフェクトな美人よりもどこか隙のある女の方が人気ありそうだけど。
「ほら、話はそれくらいにしろ。そろそろ出発するんだからな」
「それにしても、何だかんだと木連に来てから結構な時間が経ったけど……こうして見ると、このコンテナを見て懐かしくなるとは思わなかったわ」
俺の隣に来たエリナが、後ろにあるコンテナを眺めながらそう告げる。
「俺達が木連にいた間の殆どの時間をコンテナの中で過ごしていたんだから、そう思ってしまうのは仕方ないだろ。特にエリナの場合は自衛も難しかったし……」
「一応ある程度の護衛術は習ってるんだけど?」
それは分からないでもない。
エリナは間違いなく美人と呼べるだけの容姿をしているし、ネルガルの会長秘書という立場でもある。また、本人も気が強いのだから人に狙われるという危険は幾らでもある。
特に女であるエリナは、そういう下種な欲望を持っている奴に襲われる可能性もあるだろう。
その辺を考えると、護衛術を習っていてもおかしくはないのだが……
「それでも、こう言ってはなんだがエリナ程度の腕だと殆ど意味がないのも事実なんだよな」
「……それ、どういう意味?」
少し不満そうな様子のエリナだったが、俺は視線を高杉……はいないので、月臣の方へと向ける。
聞いた話だと、高杉には及ばないが月臣も木連の中ではトップクラスの使い手らしいし。
「月臣とかの強さを考えると、エリナが中途半端に護身術を使っても、殆ど役に立たないだろ」
護身術はあくまでも護身術
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