外伝〜”アルバレア”の誇り〜
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「今の状況だと旗色は圧倒的に君が悪いんだぞ……!?」
ユーシスの言葉を聞いたエリオット、アリサ、マキアスは焦った。
「――――逆だな。そんなお前を従えてこそ俺の”王の器”の大きさが民達に知られるというものだ。」
一方ヴァイスは静かな笑みを浮かべてユーシスを見つめ
「何……?」
ヴァイスの言葉を聞いたユーシスは眉を顰めてヴァイスを睨んだ。
「反乱の芽を潰す為に反乱因子となる可能性がある者を消す事は国として……”王”として間違ってはいない判断だろう。――――だが、俺はそのような短絡的な判断はしない。反乱の芽をあえて生かす事で俺の”王の器”を知り、従順にさせる事や恭順させる事こそが”真の王”だと俺は思っている。裏切られ、反乱を起こされたら俺の王としての器は所詮その程度だったという話か…………――――あるいはお前の”貴族としての器”が小さかった。そのどちらかだ。」
「…………………………」
「…………まさか反乱を起こした者がこれほどの”器”の持ち主だとはな…………」
ヴァイスの言葉を聞いたユーシスは目を細めてヴァイスを睨み、ヴァンダイク学院長は重々しい様子を纏って呟いた。
「それと確かお前は”庶子”だったな?」
「貴様、どこでそれを…………フン、バリアハートを制圧した時、”アルバレア”の縁者関係を探ったのか。」
ヴァイスに見つめられたユーシスは鼻を鳴らした後目を細めてヴァイスを睨んだ。
「そんなお前にかつて”庶子”でありながら皇帝にまで上り詰めた俺の知り合いが常々頭に入れていた言葉を教えてやろう。その言葉はお前にとっても他人事ではない意味を持つと思うぞ?」
「何だと……?」
「”庶子”である事。それがその男が常々頭に入れていた言葉だ。」
「……一体どういう意味だ。」
「その男が幼い頃、国の謀によって謀殺された大切な母に常に言い聞かされたそうだ。『半分であろうと貴方には尊い血が流れており、皇族である事に変わりはないのだと。皇族である自覚と誇りを持ち、誰よりも皇族らしくあれ』。その男はその言葉を証明する為に常に”上”を目指し、皇帝へと上り詰めた。――――それは大貴族の”庶子”であるお前も同じだと思うが?」
「ヴァイスさん…………」
「妾であるにも関わらず自らの保身の為ではなく、皇族の為にそのような教えを子供に言い聞かせるとは……」
「生前はさぞや素晴らしい女性だったのでしょうね……」
ヴァイスの言葉を聞いたプリネは驚きの表情でヴァイスを見つめ、ヴァンダイク学院長は重々しい様子を纏い、メアリー教官は静かな表情をし
「…………………………その言葉、覚えておこう。その言葉通り俺は”上”を目指し、貴様らによって奪われたクロイツェン州を取り
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