外伝〜”アルバレア”の誇り〜
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悟”を見せた。兄の覚悟は誰にも穢すことは許さん。―――それが例え家族であろうとも。」
「ユーシス…………」
「君は…………」
高貴な雰囲気を纏って答えたユーシスの言葉を聞いたエリオットとマキアスは驚きの表情でユーシスを見つめ
「……その年でそこまで考えているとは見事だ。」
「……そのような考えを持つ貴族の方達ばかりでしたら、今回のような結果にならなかったかもしれませんし、私達―――”革命派”も生まれなかったかもしれませんね…………」
ヴィクターは口元に笑みを浮かべてユーシスを見つめ、クレアは複雑そうな表情で呟き
「―――なるほど。あの男も真の意味で誇り高き貴族だったが……お前もまたその一人か。だからこそあの男はお前に対してあんな遺言を残したのかもしれんな……」
ヴァイスは静かな笑みを浮かべて頷いて呟き
「……兄の遺言だと?」
ヴァイスの言葉を聞いたユーシスは眉を顰めた。
「『どんな立場になろうと貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)を忘れるな』―――それがルーファス・アルバレアのお前に伝えて欲しいと頼まれた遺言だ。」
「…………彼らしい遺言だな…………」
ヴァイスの話を聞き、その場に静寂が訪れ、そしてヴィクターは目を伏せて呟き
「…………………………」
ユーシスは目を伏せて黙り込み
「―――兄の遺言をわざわざ貴方自らが俺に届けに来てくれた上、敵である兄を手厚く葬ってくれた事……感謝する。」
そしてヴァイスを見つめて呟いた後会釈をした。
「フッ、礼を言う必要はない。―――エレボニアの民達を導き、守りたいのなら戦争が終結したその時、いつでも俺達の元に来い。俺達クロスベル帝国は出身を問わず、有能な者なら採用する方針だ。お前の能力次第ではバリアハートを始めとした”クロイツェン州”の領主に任命する事だってありえるぞ?」
「ええっ!?」
「し、信じられん…………!」
「…………器の大きい方ですね。”皇”を名乗るだけはあるという事ですか…………」
「何かそこの所はオジサンとそっくりだね〜。」
口元に笑みを浮かべて答えたヴァイスの言葉を聞いたアリサは驚き、ナイトハルト少佐は信じられない表情でヴァイスを見つめ、ベアトリクス教官は真剣な表情でヴァイスを見つめ、ミリアムは静かな口調で呟き
「…………フン、そんな事をしてもいいのか?”アルバレア公爵家”を取り潰され、家族を殺され、貴様に恨みを持つ反乱の芽と言ってもおかしくない存在にそのような大役を命じるような愚かな真似をして。」
一瞬呆けていたユーシスは鼻を鳴らして不敵な笑みを浮かべてヴァイスを見つめ
「ちょ、ちょっと、ユーシス!」
「いい加減にしておきなさいよ……!」
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