116部分:第十四話 死者の顔その三
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第十四話 死者の顔その三
「その時の攻勢だが」
「その時こそ我等の覇権が確立される時」
リーヴェの言葉はこれまでになく強い、確かなものだった。
「この地上においてな」
「ではジーク」
サリアがジークにかけた言葉は優しいものであった。
「この度の戦い、御願いしますね」
「わかった。では吉報を待っていろ」
「はい、是非」
微笑んでジークの言葉に頷く。ジークは彼のその顔を見届けるとまた背を向けて階段を降りていく。その彼の下に九人の異形の戦衣の者達が影の様に現われ左右には無数のインプ達が整列した。八大公の出陣の儀式であった。
「ジーク様御出陣!」
「火軍団よ集まれ!」
「いよいよだな」
「うむ」
彼の同僚であるほかの八大公達はその光景を見下ろしつつまた話しはじめた。
「奴の戦い振り、見せてもらうか」
「存分にな」
「では皆さん」
サリアが同志達に声をかけてきた。
「私達も去りましょう。自分達の場所に」
「そうだな。それではな」
「行くとしよう」
「はい、八魔神の間」
この名前を出すサリアであった。
「そこに。今から」
「行くとするか」
「それではな」
「そしてサリアよ」
リゲルが彼に声をかける。
「次は誰だ」
「次ですか」
「そうだ、次に出陣する八大公だ」
鋭く燃え上がる目でサリアを見つつ問う。
「それは誰だ。わかるか」
「そこまではわかりませんが」
一旦言葉を濁すサリアだった。
「ですが。ジークの相手になるであろう黄金聖闘士は察しがつきます」
「ではそれは誰だ」
「カプリコーンです」
こうリゲルに答えた。
「おそらくは、ですが」
「成程、カプリコーンか」
「あの男か」
それを聞いた八大公達の目がそれぞれ光る。
「ジークの相手には相応しいと言うべきか」
「思えばだ」
ここで彼等は先に出陣していたカナンを見る。
「カナン、貴様の相手はキャンサーだったな」
「如何にも」
同志達の言葉に冷徹なまでに落ち着いて答えてみせてきた。
「手強い相手だ」
「貴様と五分に渡り合うのだからな」
「それは当然だな」
このことは他の八大公にも容易にわかることだった。
「ではカプリコーンもだな」
「かなりの強さか」
「そうだろうな」
「それではだ」
彼等はシュラとジークの闘いについても予想を立てだした。
「我々は様子を見ておくとしよう。今度の戦いも期待できるな」
「我々と奴等の闘いから全てがはじまる」
「うむ」
めいめい頷く。頷きつつ次の戦い、そして自分達の戦いにも思いを馳せるのだった。来たるべき彼等自身の戦いにもであった。
その頃デスマスクは巨蟹宮に入ろうとしていた。その入り口に達したところでふと足を止めることになった。
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