第三百五十八話
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第三百五十八話 見ていると
梨花はピエールとジュリエッタに言った通り今はただ妹の梨奈を観て彼女の変化の理由を確かめた。そして。
二日観てからだ、また使い魔達に言った。
「どうも学校の成績上がったみたいね」
「そうなのですか」
「梨奈様の成績が」
「あの娘元々勉強は出来るの」
この辺り梨花と同じである。
「予習復習してるから、けれどね」
「はい、近頃学習塾も行かれてますし」
「その影響で、ですか」
「成績が上がったみたいね」
こう言うのだった、考える顔で。
「ここ二日テストがどうかってちらっと言ってたから」
「学校の成績がよくなりますと」
「確かに嬉しいです」
これで喜ばない生徒はいない、学生の本分は勉強だからだ。
「それで、ですね」
「梨奈様は明るくなられたのですか」
「塾に通いはじめてテストのことを言っている」
梨花が考えるのはこの二つのことからだった。
「それならね」
「梨奈様が明るくなられた訳は、ですか」
「学業の影響ですか」
「その可能性が高いわ」
梨花は考える顔で述べた。
「今のところそう思うわ」
「そうですか、確かに理由としては妥当で」
「生徒では誰でもですね」
「では、です」
「答えはそれでしょうか」
「断定することはまだ早いけれど」
それでもと言うのだった。
「有り得るわね」
「ではさらに、ですね」
「観ていかれますか」
「そうしていくわね」
梨花はまだ断定はしなかった、この辺りすぐに謎を解くポワロとは違っていた。彼女が理想と言った探偵とは。
そしてだ、また一日観て言った。
「テストの点数言ってたわ」
「ではその点はどうでしたか?」
「上がっていましたか?」
「いつもより七点はよかったわね」
そうだったというのだ。
「算数がね、あの娘算数は比較的苦手だったけれど」
「それが、ですか」
「上がっておられましたか」
「七十五点位が八十二点になってたのよ」
これで七点だった。
「結構上がったでしょ」
「はい、しかし七十五点で比較的苦手とは」
「梨奈様も中々ですね」
成績がいいとだ、このことについても言うピエールとジュリエッタだった。
第三百五十八話 完
2016・7・7
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