装甲車両解説(日本編)その2
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年)に制式化された装輪装甲車。陸上自衛隊で初めて制式採用された装輪装甲兵員輸送車でもある。
本車の開発と生産は小松製作所が担当。
陸上自衛隊では1980年代以来同社を通じて各種の装輪式装甲車を開発してきたが、この96式装輪装甲車はその集大成ともいえる車種である。
本車は8×8型の装輪式APCで主として普通科部隊に装備され、
作戦機動に引き続き敵の脅威下に戦場機動して人員輸送等に用いられる。8輪のコンバットタイヤを装備し、パンクなどで空気が全て抜けてもある程度は走行を継続できる。また、
CTIS(中央タイヤ圧システム)と呼ばれる空気圧調整装置により、状況に応じて空気圧を変更することが可能。通常は前から数えて第3軸と第4軸が駆動するが、
全軸駆動に切り替えることもできる。
方向転換は前方の第1軸と第2軸で行う。
車体は圧延鋼板による溶接構造で、榴弾砲の破片や小銃弾などを防ぐことが可能。操縦手席の上には3基のペリスコープが備えられたハッチが設けられており、
アームによって真後ろに開く面白い造りになっている。乗員配置は前方から右側に操縦士席、その後方にキューポラをそなえた銃手席、その左側には分隊長兼車長席があり、その後方に左右それぞれ6名、合計12名分のベンチシートが向かい合わせに並ぶ後部乗員席がある。操縦士及び銃手席の左側は消火装置を備えたエンジンルームで、この消火装置は車内外両方から作動させることができる。
兵員室の天井には左右に各2枚ずつ横長のハッチが設けられており、左右側面にはそれぞれ2カ所に防弾ガラス付きの小さな視察窓があって、
車内から外部の様子を視察することが可能になっている。
73式装甲車の上部には重量のある2枚の大型ハッチがあったが、本車では小型軽量化された4枚のハッチとなった。
窓にはマジックテープで留めるブラインドが取り付けられるが、素材は合成繊維で、装甲としての働きは無い。73式に備わっていた後部乗員室床面の緊急時脱出用ハッチ、車体側面ガンポート、浮航性能などは備えていない。ガンポートは設けられていないため、乗車したまま車外を射撃するには天井のハッチから身を乗り出す必要がある。
搭乗兵員の乗降には、車体後面に設けられた油圧駆動式のランプドアを使用する。車体上面最後部の左右にはそれぞれ4基ずつ発煙弾発射機が装備されており、
これらの発射機は車体前部左上面に装備されているレーザー警報装置の作動によって、自動的に発煙弾を投射させることが可能である。
機関は三菱ふそうトラック・バス製の6D40 直列6気筒液冷ターボチャージド・ディーゼル・エンジン(出力360hp)と、
前進6段/後進2段の遊星歯車式自動変速機の組み合わせで、
パワーパックとして一体化されている。
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