黒の剣士
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ユーリ二人を頼んだぞ」
そう言って、ランさんがドアの前に立ち私たちは、部屋に戻って翌朝を迎えたのでした。
「そんじゃ、行くぞっと、その前にキリトーシリカにアレ渡しとけよ。ほい、シアにもな」
ランさんが、ポケットから青い結晶”転移結晶”をシアの手の中に落とした。
「予定外のトラブルが起こったら使え……俺たちのことは心配すんな。いいな?」
「はい」
向こうでも、恐らく同じやり取りが行われていたのであろう。
「じゃあ、行こうか。ピナちゃんとクーちゃんを取り戻すために」
私は、腕を高く上げて出発の音頭を取った。
しかし。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。き、気持ち悪いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃー」
私たちは、事あるごとにエンカウントするモンスターたちが名状しがたき者どもじみた歩く花や巨大イソギンチャクに逆さづりにされたり粘液まみれにされりしながらも工程を消化しているのだがいまだに私は、慣れることができずにまた逆さ吊りにされてされしまった。
「……はぁ、ったく仕方ねぇな」
ランさんが、敏捷力と筋力補正値で軽くジャンプして左手に握った長剣で切り落とす。
「も、もういやぁぁぁぁ」
落下しながら両手剣ソードスキルを放ちその胴体を両断。同時に、斬り分かれた体がポリゴンに変わり消失し私は着地した。
「いい加減、慣れろよー」
「むむむむ、無理ですよー(´;ω;`)。あんなに気持ち悪いのいるなんてー」
「そうですよねー。私も、いまだにちょっと苦手です」
「あー、ハイハイ。もうそろそろ着くから我慢しろー」
「「これが、≪プネウマの花≫(なんですね)(なんだー)」」
「ああ。……そいつの花の中の滴を心アイテムに振り掛ければいいんだよなぁキリト?」
「ああ、そうだ……」
キリトさんの声が途切れて、ランさんもいままでよりも厳しい表情になっていた。
「―そこで待ち伏せてる奴、出てこいよ」
「ひい、ふう、みい……ざっと、40人くらいいるだろ?」
「えっ?」
私たちは慌てて木立に目を凝らすも、人影もなかったが数秒後。がさりと、茂みが揺れた。プレイヤーカーソルが2個、色はグリーン、犯罪者ではない。
茂みから出てきたのは、私とシリカの知っている顔だった。
炎のように真っ赤な髪、同色の唇、光沢のある黒いレザーアーマーを装備し、片手には細身の十字槍を携えている。
「ろ、ロザリアさん。なんで、こんなところに?」
もう一人は、白い髪に、動きやすそうなレザーコートを羽織り、腰には幅広な片手剣を吊っている。
「え、ネロさん・・・なんで」
瞠目するシリカさんや私の疑問には答えず、ロザリアはニヤリと笑った。
「あたし等のハイディングを見破るなんて、なかなか高い索敵スキルね、剣士さん。侮ってい
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