四話 変化前日 授業
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る生徒もいる。
二つ向こうの彼女はそちら側だ。
「最初からちゃんと聞けばわかるよ。言ってることは正しいと思うし」
教えてくれた方法は役立たずだった。
彼女は社交的で、しっかり者の優等生だ。
この科目は得意らしく、彼への対応もすこぶるいい。
授業後に質問をしに行って、楽しそうに笑いあっているのを見たことがある。
彼女に
「あいつの授業は中身がない」
と話したときそう考えているとは知らず、まじめに受けたことあるのか、と言われてしまった。
「嫌いだって決めつけて聞かないんでしょ?」
何もかも知ったように話す彼女に少しイラついた。
「さてと、それじゃあ模試の結果を返すぞ」
一通り解説は終わったようだ。
出席番号順に取りに行く。
テストなんかが帰ってくるときは、少なからず気持ちが昂るものだろう。
さっきまで寝ていた生徒も、結果を受け取ると友達の席に向かい見せあって笑っている。
自分の番になる。
「もっととれたんじゃないのか」
顔も見たくない。
反応せずに席に戻る。
「どうだった?」
後ろの席から肩をたたかれた。
「もっととれたんじゃないか、だってさ」
馬鹿にした物まねをして彼に何を言われたのかを伝えた。
「あはは、にてる」
「やだよ、似てないって」
「なになに?あいつの物まね?」
「そうそう。結構似てるよ」
「似てねーってば」
「やってよー、見たいみたい」
「そこ、何やってんだ、座れ。このクラスは平均点が低かった。
こういう意識の低さも影響してるんじゃないのか」
なんでも説教に結びつける。
あぁ、過ぎ去り給え苦行の時よ。
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