『生徒会』
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先輩は生徒会役員だった。
零も、近付く文化祭のお手伝いがしたくて、一緒に生徒会活動をさせて貰っていた。
もっともっと楽しいことを経験したかった。
思い出として、綺麗に残るものが欲しかった。
零のそれまでの思い出は、思い出とは言い難い、辛くてイタイものばかりだったから...。
先輩に出逢ってから、楽しいことに出逢った。
先輩の友達や他の優しい人にも出逢った。
嬉しいと想えることに出逢った。
零は、今迄にない『もっと』という愚かな貪欲さを思い知る。
普段から3年女子や先生に目を付けられている零は、先輩と関わりだして更に注意されるようになった。
楽しくて仕方ないから、それも周りが見て解るくらい楽しそうにしていたんだろう。
それが気に入らないって感じだった。
こっちとしても大概にしてくれと言いたいくらい気に入らん。
生徒指導職員は、どっからともなく監視してる様子。
施設から来ているので更に要注意人物なのも解ってるつもり。
でも、度が過ぎるほどの差別にブチギレた。
他の子が許されること、見て見ぬフリされることでも、零だと勢いよく捕まえに来る。
そのせいで停学処分。
生徒会の仕事が手伝えなくなり、楽しみは奪われた。
施設に監禁状態で課題ノルマをこなす毎日。
地獄だった。
本当の生き地獄を生きてきた零にとって、これくらいどうってことない筈だ。
『ぬるま湯』に浸かりすぎたって事だろう。
甘ったるい日々に慣れてしまったって事だろう。
苦しみ抜いた日々より今の方が辛いなんて...。
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