宇宙編
月決戦編
第38話 白い悪魔2
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「チェーン!」
すらっとしたボディに特徴的なスリットマスク。
目の前にそびえる機体のコックピットから姿を現した彼女は、この艦のメカニックだ。
「アムロ大尉?なにか」
彼女の名はチェーン・アギ。
「この機体の兵装、特務仕様とあるが?」
「えぇ、狙撃を主としたZガンダム用のメガランチャーです。高出力で強力ですが、その分取り回しが悪く機動性が落ちます。大尉の技術でカバーしてください」
「あまり好きじゃないな」
「まだ調整が済んでませんので…BWSが装備できません。ジェガンが4機着くそうです」
「仕方ないな。何より時間がない。少しブライトと話してくる、調整を頼む」
「はい!」
月面外周宙域
「おいジャック??聞こえてろ!」
ヘルメットに手を当てながら回線を繋ぐ。
「敵にモニカがやられた、お前らズサ隊は後退してロンドラとミンドラの直掩に回れ!」
「隊長!?了解しました…」
どうやらミノフスキー粒子が薄く、聞こえたようだった。
敵のMS3機、うち1機はエースだろう。
そう判断したメイソンは、ここでなんとか時間を稼ぎ、母艦からの砲撃に合わせ撤退するつもりだった。
「戦艦ならMSを振り切れる。たとえここを失ってもグワンバンと合流できる!」
ならばできるかぎり敵を減らしておくのが最善!
つまりメイソンが選んだのはあえてできた逃げを捨て、ここに留まり一戦交えることだった。
「隊長、水クセェことは言わないでくださいよ??モニカの仇は取ります!」
「あぁ、ドリー。やるぞ」
2機のMSがまるで野獣のようにジェガンに迫る。
「大尉!あいつらやるつもりですよ??」
「ジェガンは後退しろ!ここは俺一人で充分だ!」
対するアムロも、既に2機のジェガンを墜されている。
もっともそれはジェガン部隊が先行していたためだが、アムロはMS2機を一人で相手にすることを選んだ。
それはアムロ自身が相手を決して侮ったわけではなく、寧ろ相手の力を把握した上で、この選択が一番合理的だと考えたからである。
それはアムロ自身が自らの力を理解した上での行動であり、無論焦燥や迷いはない。
これは戦線の優劣や、そもそもの力量に大きな差があることに起因するのは言うまでもない。
「一機で相手するつもりかよ?俺たちをォ??」
ドリーのガルスが切り掛かるも、敵機は軽々とそれを避ける。
更に追撃せんと機体を向け、強張らせた刹那。
既にガルスのモニターには閃光が迫っていた。
一歩引いて見ていたメイソンは、その一瞬で相手を察した。
「ドリー??離れッ…??」
メガランチャーのまばゆいまでのビーム砲が、ガルスを至近距離から消し飛ばした。
「ッ…??」
メイソンは全身が冷えたように逆立つ感覚を覚えた。
圧倒的なまでのその強さ。
まさにそれは白い悪魔に名
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