103部分:第十二話 ベルゼブブのカナンその四
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第十二話 ベルゼブブのカナンその四
「受けてみよ、この黒い光」
「来るかよ」
「ブラックエンドライト!」
黒い光が帯となり放たれた。それが一直線にデスマスクに向かって来た。
「来たかよ」
「一つ言っておく」
光を放ちながらデスマスクに告げる。
「この光を受けて生きていた人間はいない」
「ほお、いないってか」
「そうだ。誰一人としてな」
デスマスクに言い続ける。
「いはしないのだ。つまり貴様もまた」
「果たしてそいつはどうかな」
「生きているというつもりか?」
「じゃあ見せてやるぜ」
笑っていた。しかし今度の笑みはいつもの余裕はない。真剣な面持ちでの笑みであったのだ。その笑みでカナンと彼の黒い光に対していたのである。
「俺がどうやってそれの最初の人間になるかな」
「面白い男だ」
カナンもまた笑ってはいなかった。
「だが。それでも言おう」
「俺が死ぬってか」
「そうだ。生憎俺は不死身でなあ」
この言葉ははったりだった。
「俺を殺したきゃそのまま冥府に蹴り込むんだな。それでも這い上がってきてやるぜ」
「這い上がるか」
「何かおかしいかよ」
「いや」
カナンはその言葉自体は悪いとはしないのだった。
「別にな。それはな」
「そうかよ。じゃあ見てみるんだな」
「私のこのブラックエンドライトを破るのをか」
「そうさ。見なこのデスマスクの技!」
叫びながら技を放ってきた。それは。
「積尸気魂葬破!」
「何だとっ!?」
デスマスクがここで積尸気魂葬破を放ってきたのを見てカナンは思わず驚きの声をあげてしまった。今までの冷徹そのものの顔も微かに崩れていた。
「ここで積尸気魂葬破だというのか」
「そうさ、これでな」
いつもの不敵な笑みがそこにはあった。
「破ってやるんだよ、手前のその技をな」
「果たしてそう上手くいくかな」
「じゃあ見てみるんだな」
ここでもその自信は変わらない。
「貴様のその積尸気魂葬破で。私のブラックエンドライトを破れるのかどうかをな」
「それは早速はじまってるぜ」
積尸気魂葬破を放ったその腕を前に突き出しつつカナンに述べる。
「どうだ?さっきまで俺に間近に迫っていた手前の光がよ」
「むう」
見ればその通りだった。黒い光は次第に押されていっている。デスマスクの積尸気魂葬破が彼のその光を次第に焼き尽くしていっていたのだ。
「さあ、どうだよ」
「次第に押していっているというのか。私の光を」
「こんなのははじめてだよな」
口元に笑みを浮かべて彼に問う。
「違うか?そうだろ」
「その通りだ」
冷徹な顔に戻ってデスマスクの言葉に答える。
「それはな」
「そうだろ。じゃあ俺がはじめてになるな」
「だが。それはどうかな」
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