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リヴァイと私〜近付く2人の距離〜part2
積極的兵長と鈍感な私

[8]前話
貴「エレン! 」


私はエレンを見つけた。


エ「エネ!! 」


私の目線はエレンの手にいった。
手に包帯が巻かれている。


貴「エレン!? どうしたのその手!! 」

エ「あぁ、これか?
巨人化しようとしたんだけどよ、
何故か巨人になれなくてな…この有り様だ」

貴「…未だにエレンが巨人になるっていうのが
よく分からないんだけど、どういう事なの?」

エ「俺もよく分からない…でも巨人になるには
自傷行為がいるんだ。こうやって手を……
(あれ、どうしてこれだけは知ってんだ?)」


エレンの両手は、ほぼ包帯で覆われている。
その白い包帯の所々に赤い部分があった。


貴「うわぁ…痛そう」

エ「エネが手に
チューしてくれたら治る」


言葉を発したと同時にエレンの耳が
赤くなっていく。


あ。エレン今、嘘ついたね(笑)


以前、ミカサに教えてもらった。

"エレンは嘘をつくと耳が赤くなる"と。


私はエレンの手に触れようと手を伸ばした。


ぱしっ


エレンに触れる事なく誰かに手を掴まれた。
私の手を掴んだのは__


貴「…リヴァイ兵長?」


グイッ


貴「うわっ! へ、兵長!? 」


リヴァイ兵長は私の手を引っ張って
黙ったまま、ずんずんと歩いていく。


兵長と手…繋いでる……//


曲がり角を曲がった瞬間、私を壁に押し付けた。

そして__……


ダァンッ!!


兵長は私の横の壁に勢いよく片手を置いた。

突然の大きな音と出来事に思わず
ぎゅっと目を閉じ、すぐ目を開ける。

背中には冷たい壁に
横にはリヴァイ兵長の手。

兵長は顔をグッと近付けた。

ち、近い……!!//

兵長は眉間にシワを寄せ、目を細めている。
それは悲しみにも怒りにも取れる表情だった。


リ「他の男に気安く触れようとするんじゃねぇ」

貴「え、えと。どういう…//」

リ「あ?……エレンは怪我してんだ。
お前が接触して悪化でもされたら壁外遠征に
支障が出る。ガキには触れるな」


リヴァイ兵長は私から離れ、
壁に置いていた手も外した。


リ「他のガキにもな…(ボソッ 」


微かにそう聞こえたような気がした。

気付けば、リヴァイ兵長は歩き出している。


私は暫くそのまま立ち尽くす。


そ…それって、どういう意味だろう…


ドキドキ…//


私の心臓が落ち着くまで
もう少し時間がかかりそう……
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