装甲車両解説(日本編)その1
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ることが可能である。
JM12A1 HEAT-MPはやはりラインメタル社が開発したDM12A1 HEAT-MPをダイキン工業でライセンス生産したもので、成形炸薬弾と破片効果榴弾の両方の特性を兼ね備えているため装甲目標と非装甲目標のどちらにも使用可能である。砲口初速は1,140m/秒で装甲目標に使用した場合、
射距離に関わらず600〜700mm厚のRHAを穿孔可能である。
射撃管制装置がレーザー測遠機や砲耳軸傾斜計、装薬温度計、横風センサーなどから送られてくる情報を計算し、弾道へ与える各種要素を割り出す。そして照準装置への入力・設定を照準制御器に送ることで、砲弾は的確な軌道を描いて目標に命中する。
これら国産ハイテク技術が導入された射撃管制装置や自動装填装置を用い、射撃には大容量のデジタル弾道コンピューターとジャイロを併用することで、目標及び自らが移動していたとしても高精度な行進間連続射撃が行え、急激な制動で車体が前後に傾いた状態でも正確な射撃が可能となった。なお、90式戦車の滑腔砲は仰俯角範囲が狭いものの、サスペンションによって車体を傾斜させることでこれを補う。
90式戦車の車体と砲塔は圧延防弾鋼板の全溶接構造となっており、スマートな曲線を持つ74式戦車とは対照的にマッシブで直線的な外観となっている。また特に被弾確率の高い砲塔前面と車体前面の装甲板には、防弾鋼板とチタンやセラミックを組み合わせているといわれる複合装甲が導入されている。セラミック系複合装甲の実用化と車両そのもの小型化により、軽量ながら防護力は高いとされている。
セラミックは硬度があるぶん割れやすい素材だが、APFSDSなどのように、セラミックが割れる速度より高速で衝突してくる物体に対してはその硬度を防御力に転換でき、劣化ウランなどの重金属装甲よりも軽量化することができる。これによって90式戦車は防御力を維持しつつ、
他の同世代戦車に比べて軽量化することに成功しており、
車体そのものが小型化されたことで被弾率が低下し、発見される可能性も抑えている。
砲塔前面の複合装甲が垂直の平面で避弾経始を考慮していないのは、装甲を傾斜させると前面投影面積あたりの重量が増加し車内容積が減少する点のほか、高速で衝突し流体状の振る舞いで貫通するAPFSDSに対しては装甲傾斜による避弾経始が意味を成さないこと、また、傾斜させずともそれに耐えられるだけの装甲材の開発に成功したことなどが理由に挙げられている。
重装甲化が進んで戦闘重量が60tを突破しているレオパルト2戦車やM1戦車、チャレンジャー戦車等の西側第3世代MBTに比べ、90式戦車の戦闘重量は50.2tとやや軽量であるが、これは90式戦車が日本の道路事情(横幅と重量の制限)を考慮して他国
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