装甲車両解説(日本編)その1
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陸上自衛隊では第2戦車連隊が装備する90式戦車にT-ReCsの端末の搭載を開始しているが、90式戦車はC4I機能を付加できるように設計されていないため運用に制約がある。このことが10式戦車が開発された大きな理由の1つであり、90式戦車と同等の火力と防御力を備え、本州での運用を考慮して車体の軽量化とコンパクト化を図り、高度なC4Iシステムを運用できるMBTとして誕生したのが10式戦車というわけである。
10式戦車は高度なC4I機能を付加することを想定して設計されているため、将来的にT-ReCsより高度なC4Iシステムが導入されても対応することが可能である。T-ReCsは本部と各部隊の情報共有と指揮統制に用いられる他、部隊内の各戦車が各自の位置や敵情報を相互に交換し車内のディスプレイで見ることもできるようになっており、10式戦車はT-ReCsによって部隊単位の戦闘力が大幅に向上することが期待できる。
また、基幹連隊指揮統制システムに連接させることで司令部や味方部隊との通信能力が向上し、戦車部隊と普通科部隊が一体化した作戦行動が可能となるという。将来的にはOH-1観測ヘリコプターやAH-64D戦闘ヘリコプターからの情報も入手できるようになると言われている。
90式戦車は北海道での運用を考慮して開発されたために重量が約50tあり、橋梁や路面の許容重量と活荷重の面で北海道以外での平時における配備・運用が難しいとされている。このため、10式戦車の開発においては本州、
四国、九州など全国的な配備運用に適した能力、砲塔・車体一体でのトレーラー輸送など戦略機動性の向上が求められた。その結果、90式と比べて全長で約38cm、全幅で約16cm小型化され、全備重量は約6トン軽い約44tとされている。
全国的な道路交通網の整備がなされ、61式戦車が開発された頃に比べると鉄道に頼らずに済むようになったため、陸上自衛隊では74式戦車の開発以降、鉄道輸送は事実上断念している。90式の場合、
専用のトランスポーターによる輸送を行えば、道路の許容重量によって走行できるルートが限られてしまう可能性が存在し、長距離を自走させた場合に足回りを傷める可能性があったが、小型の40t級車輌とすることで車体と路面へのダメージ低減に成功した。
全国の主要国道の橋梁17920ヶ所の橋梁通過率は10式(約44t)が84%、90式(約50t)が65%、海外主力戦車(約62〜65t)は約40%とされる。
74式をトランスポーターで輸送する場合、73式特大型セミトレーラで砲塔と車体が一体の状態で輸送できる。一方、90式の場合は最大積載量50tの特大型運搬車であれば砲塔と車体が一体の状態で輸送できるが、最大積載量40トンの73式特大型セミトレーラでは砲塔と車体を分
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