装甲車両解説(日本編)その1
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どから目標の種類(戦車、装甲車両、非装甲車両、航空機、固定目標、人など)を自動的に識別する。FCSは探知・識別した目標の脅威度の判定を自動的に行い、ディスプレイに目標を色分けして強調表示させる。
また車長用サイトは砲手用サイトへのオーバーライド機能を持っており、車長が砲手に代わって主砲の操作を行うことも可能である。砲塔上面最後部にはポール状の環境センサーが装備されており、
センサーで検知した風向と風速のデータを主砲の弾道計算に反映させることで特に走行間射撃時の主砲命中率を向上させるのに貢献する。
これらの情報は、
小隊内各車の状況(燃料、弾薬、故障状況など)とともに小隊内でリアルタイムに共有することができる。脅威度が高い目標が出現した場合は、90式戦車と同様に車長が砲手をオーバーライドできるだけではなく、小隊長が他の小隊車のFCSを強制的にオーバーライドして照準させることができる。照準する際には、データベースから目標の弱点部位を自動的に精密照準する。射撃後、FCSは着弾した場所を精密に計測し、効果判定を行う。FCSが目標の撃破は不確実と判断したならば、
FCSは乗員に次弾射撃をリコメンドする。
車長用潜望鏡後方の高い位置に設置された、車長用視察照準装置の赤外線カメラ部は全周旋回可能、
C4Iによる情報の共有などもあり、味方と連携して索敵、攻撃を行うハンターキラー能力は90式と比べて向上しているとされる。エンジンの燃費に関しては90式と比べ省燃費となり、
携行燃料は90式の1100リットルから880リットルに減少しているとされ、これによるタンク容積の節約も車体の小型・軽量化に寄与しているとされる。
なお10式戦車のFCSは基本的に国産のコンポーネントで構成されているが、この環境センサーについてはフランスのタレス社製のものが用いられている。また10式戦車は、最近のMBTで必須の機能となりつつあるC4Iシステムの運用が可能となっている。C4Iとは”Command(指揮),Control(統制),Communications(通信),Computers(コンピューター),and Intelligence(情報)”の略語で、軍隊におけるこれら5要素の管理機能がC4I機能である。
陸上自衛隊の戦車連隊では2007年度から、「戦車基幹連隊指揮統制システム」(T-ReCs:Tank-Regiment Command Control System)と呼ばれるC4Iシステムの運用を開始している。
T-ReCsは戦車連隊/大隊本部に設置される中央処理装置と、
中隊以上の部隊本部が装備するラップトップ型端末、中隊以下の部隊が装備する携帯型端末を用い、
各部隊の情報の共有化と指揮統制の効率化を図るものである。
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