装甲車両解説(日本編)その1
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旋回を行う際には転輪数が奇数の方がスムーズに行えるといわれていることから、このことも転輪数の変更に影響しているかも知れない。
10式戦車のサスペンションは、90式戦車と同じく油圧によって高さを調節できる油気圧式サスペンションが採用されている。ただし、90式戦車は前後の4軸が油気圧式サスペンションで中央の2軸はトーションバー式サスペンションだったが、10式戦車は全軸が油気圧式サスペンションになっている。90式戦車ではこの機構により車体を前後方向に傾けることができたため、これを利用して主砲の実質的な俯仰角を増大させることができた。
10式戦車ではこの前後方向の高さ調節に加えて、74式戦車のように左右方向の高さ調節も行えるようになっており、車体を左右に傾けることで主砲を横に向けた場合にも大きな俯仰角を取ることができるようになった。
油気圧式サスペンションを採用している戦後第3世代MBTで、
転輪数が片側5個のものは10式戦車以外に存在せず、このような強力なアクチュエイターを開発した日本の技術力の高さが伺える。また10式戦車の油気圧式サスペンションは可変ダンパーを備えたセミアクティブ方式で、車体の加速度等を検出して自動的にサスペンションの挙動を制御するようになっており、機動性能の向上に貢献している。
このセミアクティブ・サスペンションは、10式戦車が主砲の射撃を行う際に反動を大幅に減少させる役割も果たしている。120mm級の戦車砲を安定して射撃するには車体重量が最低50t必要といわれており、10式戦車はこのセミアクティブ・サスペンションの実用化により大幅な軽量化が可能になったのである。10式戦車の戦闘重量は44tと、90式戦車の50tから大幅に軽量化されているため出力/重量比はあまり変化しておらず、新開発の無段階自動変速・操向機の採用により動力の伝達効率が向上したことも手伝って、10式戦車は90式戦車と同じ機動性能を発揮できる。
指揮・射撃管制装置に関しては、走行中も主砲の照準を目標に指向し続ける自動追尾機能があり、
タッチパネル操作でも主砲の発砲が可能である。無線通信、
レーザーセンサー、
赤外線、ミリ波レーダーなどのすべてのセンサーが完璧に機能する条件下では、
小隊を組んだ10式戦車同士の情報のやり取りで、8標的まで同時捕捉し、これに対する同時協調射撃が可能となる。
小隊長は10式に装備された液晶ディスプレイをタッチパネル操作することで、
各車に索敵エリアを指示したり、「自動割り振り」表示を押すことで各車に最適な標的を自動的に割り振り、同士討ちや重複射撃を避けながら効率よく標的を射撃することが可能になっている。10式には自動索敵機能があり、
センサーが目標を探知すると、目標の形状な
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