装甲車両解説(日本編)その1
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キューポラの周囲にリングマウントを設けて装備するように変更されており、12.7mm重機関銃M2はリングに沿って好きな方向に移動できるため使い勝手が良くなっている。また10式戦車の生産型では、車長用キューポラ上面のハッチもリングに沿って開閉位置を変更できるようにされており、開閉位置が固定されていた従来の陸自MBTより使い勝手が向上している。
10式戦車の車内レイアウトは一般的なもので、車体前部が操縦室と主砲弾薬庫、
車体中央部が全周旋回式砲塔を搭載した戦闘室、車体後部がエンジンや変速機、
冷却装置を収納した機関室となっている。10式戦車の車体と砲塔は圧延防弾鋼板の全溶接構造で、車体前面と砲塔の前/側面には新開発の外装式モジュール装甲が装着されている。
このモジュール装甲は2層構造になっており外側の層が化学エネルギー(CE)弾対策の中空装甲、内側の層が防弾鋼板の箱の中にチタン合金の外殻で拘束したセラミック板をハニカム構造に何層も敷き詰めた構造の複合装甲になっていると推測されている。90式戦車では砲塔側面に外装式に左右各4基ずつ76mm発煙弾発射機が取り付けられていたが、10式戦車では砲塔前面左右のモジュール装甲の最外部上面に左右各4基ずつ76mm発煙弾発射機が内蔵されている。
このことからも、
モジュール装甲の外側部分が中空装甲であることが分かる。
また砲塔のモジュール装甲は外側の中空装甲部分を収納スペースとして利用できるようになっており、側面装甲板にはブロックごとに収納ハッチが設けられている。
外装式モジュール装甲はフランスのルクレール戦車、イスラエルのメルカヴァMk.III/Mk.IV戦車、韓国のK2戦車などにも導入されており、
最近のMBTでは必須の機能となりつつある。10式戦車は想定される脅威の度合いに応じて、複数のモジュール装甲を使い分けることで防御力の調整が容易にできるようになっており、
より高い防御力が必要な場合には、外側の層も複合装甲にした重装甲タイプのモジュール装甲(総重量約8t)に換装することで迅速に防御力を強化できる。
また、操縦士用ハッチ上方の一部の部分は内側に引き込まれる形で垂直になっており、この垂直部分を隔てた更に奥に複合装甲からなる主装甲が存在する。車体部の装甲板の内側には前照灯が確認できる。砲塔部・車体部どちらの装甲板も、
90式のキャンバスカバーのように正面要部を覆うようにボルトで取り付けられている。90式の防盾は正面投影面積が左右対称だったが、10式では直接照準眼鏡と同軸機銃のない側である防盾右半分の面積を小さくしている。
砲塔の四隅にはレーザー検知器が搭載されている。詳細については非公開だが、
アメリカ・グッドリッチ社製のレーザー検知器だと言われてい
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