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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
101部分:第十二話 ベルゼブブのカナンその二
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第十二話 ベルゼブブのカナンその二

「同志達を屠ってくれた青い炎だな」
「気付いてたのかよ、おいおい」
「この程度の小細工にかかる私ではない」
 静かにデスマスクに対して述べる。述べながらも動かない。あくまで静かな態度を崩さずその場に立っているだけだ。まるで何事もないように。
「この程度ではな」
「悪いが小細工じゃねえんだよ」
 しかしデスマスクはこう言葉を返したのだった。
「これはよ」
「何だと?」
「俺は大物狙いなんでな。そういうことはしない主義さ」
「ではこれは何だ」
 その周りに舞っている青い粉を横目で見つつデスマスクに問う。
「この青い粉は小細工ではないのか」
「だから小細工じゃねえんだよ」
 デスマスクはまたこのことを小細工ではないと主張する。
「これはよ」
「では何だ?」
「大技なんだよ。その証拠に見な」
「むっ!?」
「その青い粉の数をよ」
 見れば青い粉はカナンの周りに漂っているのではなかった。デスマスクの周りは無論のことサガの周りにまで舞っていた。そしてその数は桁外れであった。
「これまでの青い燐の比じゃねえだろ」
「どういうことだ、これは」
「後な、一つ言っておくぜ」
 またカナンに対して告げる。
「この青い燐はな」
「これがどうかしたら」
「ただ舞うだけじゃねえんだよ」
「舞うだけではない。ではまさか」
「おっ、気付いたか」
 今のカナンの言葉に興味深そうに声をあげてみせる。
「流石八大公ってところか?」
「冗談はいい」
 デスマスクにこれ以上は言わせなかった。
「つまりだ。貴様の意志に従い動き相手を攻めるのだな」
「その通り。御前さんもう逃げられねえぜ」
 見れば粉はもう燐になっていた。無数の夥しいまでの数の燐がカナンを包み込もうとしていた。
「これでな。終わりだよ」
「果たしてどうかな、それは」
 だがカナンはこの状況でも態度を変えないのであった。
「貴様の思い通りに行くかどうか」
「へえ、じゃあどうするんだい?」
 デスマスクもやはり動かない。余裕に満ちた態度でいるだけだった。
「この青い焔が御前さんを焼き尽くすにはもうそんなに時間は残ってねえぜ」
「一つ言っておく」
 ここでカナンの目の光が変わった。
「我が名はベルゼブブのカナン」
 またしても己の名を名乗ってみせてきた。
「そう、ベルゼブブのな」
「んっ!?」
「ベルゼブブは地獄を統率する者」
 欧州の悪魔学ではこう定義されているのである。やはり強大な存在であるのだ。
「そして蝿を支配する者」
「蝿!?」
「そうだ、では今見せよう」
 言葉と共にカナンを何かが覆った。それは黒い雲に見えた。
「このカナンの技の一つ」
「来たかよ」
「ヘルズフライ!!」
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