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GATE 株式会社特地電工 〜彼の地にて 斯く戦えり〜
第一部
事務所が無い?!その3
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 黄色い車両の地下鉄で2駅、銀座に着いた。

 手には自分の革鞄と、お土産の「銘菓ひよこ」。




 2ブロックほど、いま地下鉄で来た方向へ歩いてもどるかたちにはなったが、GATEの前に来た。

 都会はやたら「歩き」が多くて嫌いだ。靴底がすぐにすり減ってダメになってしまいそうだ。これが田舎だったら、営業車でドアツゥードア、移動にも待ち時間皆無・徒歩数メートルのみで無駄が無いはずだ。田舎で無駄なのは、やたら土地が余りまくってることだけだ。


 GATEの手前に守衛室とシャッターがある。完全武装の自衛隊の衛兵さんがいらっしゃったのでお尋ねで声をかける。

「すみません、私、特地電工に行きたいのですが・・・?」



 ここで、言葉を続けようとして少し躊躇する。衛兵さんの、その手にあって黒光りする自動小銃も気にはなるが、目深にかぶったヘルメットの奥の、さっきまでの温和な表情が、あからさまに邪険な感じに変わって、

「こちら防衛施設になりますので、そういったお尋ねは2ブロック向こうの交番でお願いします。」

 あれ?特地電工ってこの中じゃ無かったの?



「すみませんが、特地電工ってこのGATEの向こうだと思うんですけど?」

 ここで口ごたえすると、その自動小銃が問答無用・否応なしに火を噴くぜ! なんてことは無いはずだ。少し勇気が要ったが、私もここで無言で立ち去るほどシャイなベイベーでも無い。


「あ、GATE通行の方でしたか・・・ここらへん、道を尋ねられる方が多くてすみません、・・・民間の方、ですよね?パスはお持ちですか?」


 衛兵さんの対応が少し現実的なものになった気がしたが・・・パスとは何だろう?


「あれ?パスって・・・何ですか?」


「GATEの向こうを特地と呼んでおりますが、ここを通ってあちらの特地に行くは保安上大変危険ですので、通行許可と身分証明書が必要です。それをパスと呼んで、ここでチェックしているのですが・・・はじめての方ですね?」


「はい、特地電工に出向を命ぜられて、その着任前の、ご挨拶に伺うところなのですが?」


 そう言ってお土産の「銘菓ひよこ」の入った紙袋をすこし掲げる。この衛兵さんにあげる気はない。


「その・・・特地電工?ですか・・・自分は存じ上げないのですが・・・、そのあたりも含めて、通行の手続きなど、受付窓口のほうで尋ねていただけますか?そちら、左後ろのビルの2階に受付がありますので・・・手前のほうに階段があって、2階ロビーにありますので」

 手続き、の部分に強調が入ってた気がする。なるほど、そういうものなのか・・・

「あ、手続きですね、はじめてで知らなくてすみません、行ってみます」

「はい
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