外伝〜貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)〜
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兵士達の先頭にいるヴァイスは一歩前に出て静かな表情で尋ね
「いかにも。そういう貴殿は”六銃士”の一人――――”黄金の戦王”にして先日の”宣言”にて愚かにも”皇帝”を名乗ったヴァイスハイト・ツェリンダーだな?」
尋ねられたルーファスは静かな表情で答えた後真剣な表情で尋ねた。
「フッ、”四大名門”に名を知られているとは随分と有名になったものだな。それに血と伝統に囚われ、内戦を起こした貴様らに”愚か”と言われる筋合いはないな。」
ルーファスの言葉を聞いたヴァイスは口元に笑みを浮かべて呟いた後嘲笑した。
「…………”国”とは尊き血を引く者達に導かれる事によって成り立つもの。それを平民の分際で”王”を名乗るとは恥を知れっ!」
対するルーファスは厳しい表情でヴァイスを睨んで叫び
「”平民”か。まあ、間違ってはいないが一つだけ訂正しておこう。俺はかつて”庶子”の身であった者だ。よって我が魂には尊き王族の誇りが刻み込まれてある。」
ルーファスの叫びを聞いたヴァイスは全身に”覇気”を纏って答えた。
「何だと…………!?………………いいだろう。そこまで言うのなら貴殿のその誇り……見せて見るがいい…………!」
ヴァイスの話を聞いたルーファスは驚いた後武器を構え
「望むところ……!お前達は手出しをするなっ!これは誇り高き決闘だ!」
「ハッ!」
そしてヴァイスも武器を構えて叫んだ後兵士達に指示をし、ルーファスとの決闘を開始した!ルーファスの剣の腕は決して低くなく、何度かヴァイスとの斬り合いはできたが、実戦経験の差が余りにも違うため、徐々に押され始め、ついにヴァイスの剣がルーファスが持つ剣を自分の愛剣―――『ダーンウィン』で根本まで斬り落とし、その事に驚いたルーファスの隙を狙ったヴァイスが剣でルーファスの心臓を貫いた!
「ゴホッ!?…………み…………ごと…………貴殿の…………尊き誇り…………確かに…………見せて…………もらった………………」
ヴァイスの剣で心臓を貫かれたルーファスは口から大量の血を吐き、そしてヴァイスが剣を抜くとよろよろと後ろに下がり、壁にぶつかって地面に崩れ落ちた!
「…………そちらこそ見事だった。久方ぶりに誇り高き貴族を見せてもらったぞ。貴殿の気高さを称賛し、遺言があるのなら聞こう。」
崩れ落ちたルーファスにヴァイスが近づいてルーファスを見下ろして言った。
「……………どうか…………屋敷内に軟禁されている…………アルフィン皇女とセドリック皇子には危害を加えないで…………頂きたい…………そして…………もし…………我が弟ユーシスに会う事があれば…………伝えてくれ………………どんな立場になろうと…………貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)を…………忘れる
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