暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
外伝〜貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)〜
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逃がす時間を稼ぐ。お前達は何としてもお二人をここから逃がせ。」

尋ねられたルーファスは腰につけた鞘から細剣を抜いて構えて答えた。

「まさか…………ここで玉砕されるおつもりなのですか!?」

「我々が残ります!ですのでどうかルーファス様はお逃げ下さい!」

「ルーファス様にもしもの事があればユーシス様がどれほど悲しむか……!」

ルーファスの答えを聞いた兵士達は血相を変えて叫んだが

「黙れっ!!」

ルーファスの一喝によって全員黙り込んだ。

「皇家の方達を薄汚い簒奪者から命を賭けてお守りする…………これは貴族たる私の”義務”だ。貴族ではない貴様らにこの私に意見する資格はない。」

「ルーファス様…………………………」

高貴な雰囲気を纏って答えたルーファスの話を聞いた兵士は悲痛そうな表情をし

「それにユーシスにも”貴族の覚悟”も教え込んである。だからユーシスの事も心配するな。」

「…………………………」

ルーファスの話を聞いた兵士達はそれぞれ重々しい様子を纏って黙り込んだ。

「行け!何としてもお二人をバリアハートから逃がせっ!グズグズしているとメンフィルやクロスベルがお二人に危害を加えるぞっ!」

「イエス、マイロード!」

「今まで貴方にお仕えする事ができて幸せでした、ルーファス様!」

「どうかご武運を!!」

「空の女神よ!どうか我が主に勝利を!」

そしてルーファスの指示に兵士達はそれぞれ涙を流しながら敬礼した後部屋を出て行った。



「………………すまない、ユーシス。お前は何としてでも生き延び…………”アルバレア”の血を絶やさず…………平民達を導いてくれ…………」

兵士達が部屋を出て行くとルーファスは静かな表情で呟いた。するとその時

「グアアアアアッ!?」

「申し訳ありません……ルーファス……様…………」

「アルフィン皇女…………セドリック殿下…………どうかお逃げ…………」

兵士達の呻き声が聞こえ

「アルフィン皇女にセドリック皇子だと?まさか…………この屋敷内にいるのか!?フッ、ついているな。―――リセル!お前は兵達と共に屋敷内にいるアルフィン皇女とセドリック皇子を捕えろ!」

「かしこまりました、ヴァイス様!総員、これよりエレボニア皇室関係者の捕縛を開始する!私に続きなさいっ!」

「イエス、マム!」

「数名は俺と共に来いっ!!」

「ハッ!!」

ヴァイスとリセルや兵士達の声が聞こえた後、数人の足音が聞こえ、そして扉が斬撃によって真っ二つにされて破壊され、そこからヴァイス率いる数人の兵士達が部屋に雪崩れ込み、それぞれの武器をルーファスに向けた!


「ルーファス・アルバレアか?」

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