第十一話 葬儀と即位その八
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「私もそうすべきか」
「はい、お身体にはお気をつけ下さい」
「王に何かあっては国の一大事です」
「だからこそです」
「何としても」
「わかった、では身体にも気をつけよう」
王は側近達の言葉に頷いた。
「それではな」
「そうされて下さい」
「そして身辺にもです」
「お気をつけ下さい」
側近達は彼等にこのことも謹言した。
「何かと王国が動いてます」
「このことは常のことですが」
「あの国は陰謀家です」
「特に今の王は謀略家です」
このことは常に言われている、この国から見た王国の姿であり彼等から見ている王国は陰険な謀略を得手としている国なのだ。
その主観からだ、彼等は王に話す。
「何をしてくるかわかりません」
「刺客なぞ朝飯前です」
「毒でも何でも使ってきます」
「だからです」
「ここはお気をつけ下さい」
「王国、そして周辺諸国もまだまだ厄介です」
彼等の名前も出すのだった。
「旧教の跳ねっ返りも気になります」
「だからです」
「身の周りはお気をつけ下さい」
「王は少し無用心かと」
「ですから余計にです」
「用心をされて下さい」
「近衛兵も置き」
王のその周りにというのだ。
「毒見役も置きましょう」
「是非にです」
「そしてそこも用心しましょう」
「何としても」
「王になると違うな」
王は側近達の話を受けて言った。
「何かと注意しないといけないか」
「はい、お身体のことは」
「これまでより遥かにです」
「王は最も狙われます」
「それこそ誰よりもです」
「玉座を得るかどうか」
王は自ら言った。
「それで全く違うからだな」
「左様です」
まさにというのだ。
「だからこその近衛兵です」
「その他の役職です」
「全ては王を守る為」
「その為です」
「では近衛兵も毒見役も置こう」
王は頷いて言った。
「卿達の言う通りな」
「お願いします」
「そしてお身体にいいものも召し上がられて下さい」
「滋養にも務められて下さい」
「わかった」
王はまた頷いた、とかく王は様々な政策を考えていたがまずはそうしたことからだった。何かと手を打ちそのうえでだった。
自身の周りの護りも固めていた、毒見役も置いて万全の備えを敷いていた。だが太子の側近達はその王を見て太子に言った。
「近衛兵や毒見役を置かれてです」
「身の周りを固めておられます」
「常に刺客に気をつけておられます」
「そうされています」
「当然のことだな」
太子は側近達の報を聞きつつ言った。
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