第27話『素顔』
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は何かの縁だと思い、彼の名前を訊く。
すると彼はすんなりと答えてくれた。
「柊 狐太郎です」
「私は辻 緋翼。また会えたら良いわね」
「は、はい」
ここに来て、彼はようやく笑顔を見せた今時珍しいんじゃないの? こういう素直な子。
この子はこのコンプレックスを除けば、とても良い子だ。クラスの皆と仲良く出来てるのかしら? いじめられたりしてるのかな…? ちょっと心配だな…。
でも、今日はもうお別れ。早いとこテープを結んで、帰してあげないと。
「気をつけてね」
「はい」
ここまで穏やかな気持ちでテープを結べたのは初めてだろう。これで誰にも見つからずに帰れれば・・・あれ?
「あの…体が動かないんですけど…」
「あ、ごめん…」
失敗した。これは間違いなく失敗した。
私は、テープの効果に『麻痺』が有ることをすっかり忘れていたのだ。これでは彼が退場できない。
仕方ない、抱えていってあげるか・・・まだ時間あるし。
私は彼を抱え、安全と思える場所まで運ぶことにした。
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