第27話『素顔』
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を必要としない帰宅部が部活戦争に参加しているのか。
「な…何であんたは出てんの?!」
予想外の事態に焦る私。演劇部か何かと思っていた相手が、意味も無く参加する帰宅部だったのだ。誰だって“?”は浮かぶだろう。
問い詰めると、彼は怯えたまま口を開いた。
「そういうルール…なんです。『帰宅部は部活戦争で選手の邪魔をする』っていう…」
ルール? そんな話は聞いていない。私たちに公開されたルールにも、そんな事は書かれていなかったはずだ。私たちの部活だけ知らなかった…なんて事は無いだろうが・・・。
「この事は…全部活には秘密なんです…。あくまで選手のフリをしないといけないんで…。でも、僕らは正式な参加者じゃないので、倒したところで何も無いです…」
拙いがそこまで説明をされた所で、私は話をある程度理解した。
つまり、彼らは完全に“邪魔者”なのだ。彼らを倒しても部費は貰えないが、彼らに倒されたらそこで終了。出会ったとしたらデメリットしか存在しない、そんな役なのだ。
「じゃあ、今までアンタと闘っていたのは、私には無意味だったってことで良いのよね?」
「はい…そうですね。あ、でも一応僕らも倒されたら失格なので、今倒しても無駄骨ってことは無いですよ…?」
まさかの帰宅部参戦とは、運営も変なことを考える。
要は、倒しても部費が貰えない奴が居るって事にガッカリさせたかったのかしら。
・・・まぁ良いわ。
後はコイツの処遇だけど…答えは決まったようなものよね。
「アンタの事は放っとくわ。別の部活を好きに邪魔しなさい」
私はそう言い放つと踵を返して、別の場所に向かおうとした。
彼には他の部活を邪魔してもらおう。私をここまで追い詰めるし、きっと十分な力は持ってるもの。
だがそこである重大な事に気がつく。
「あんた…服どうする?」
苦笑いを浮かべてそう言いながら彼の方を向くと、彼はその状態に気付き慌てふためいた。
「ホントだ…これじゃ・・・」
ついつい仮面やマントを燃やしてしまったが、この状況だと彼のコンプレックスは露わになってしまっているので、彼にとってとてもマズい状況である。
あのパーカーにはフードが付いてはいるようだが、激しい動けばすぐに外れるだろう。
仕方ない・・・。
「もう面倒だから、やっぱ私がアンタを倒したことにしとくわ。早くこの場から去りたいでしょう?」
私の言葉に、彼ではなく彼の耳が反応する。何よ、仮面の中身は小動物みたいで可愛いじゃない。
しかし、このことは黙っておくべきだろう。
「手荒くはしないから大人しくしときなさいね。・・・あ、そうだ。あんた名前は?」
私
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