お怒り兵長と焦る私 2
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サ「はぁ…はひ、はぁっ……! 」
息を切らしながら走っているサシャ。
かれこれ1時間は走り続けている。
…でも、目標の500周まではまだまだ先。
私は、リヴァイ兵長と一緒に
サシャの走る姿を眺めていた。
一方リヴァイ兵長は、
サシャが何周走ったかをしっかり数えている。
リ「…チッ、170か。遅ぇな…… 」
貴「兵長は体力ありますが、
私達はまだ新兵ですので… 」
そう、だから500も走るのは正直しんどい。
貴「リヴァイ兵長、
盗んだサシャも悪いとは思いますが…
さすがに500周はキツいと思います。
私も走れと言われたら体力が続きませんし… 」
リ「あ? エネも走りたいのか?」
貴「い、いえ…… 」
リ「だったら黙ってろ」
貴「………… 」
少しでもサシャの走る数を
減らそうと思ったけど……無理みたい。
横に目を向けるとすぐ隣には私の好きな人…
今は、こうやって兵長と一緒に
いられるだけで幸せ__……
…このままずっと
リヴァイ兵長の隣にいたい__けど、
兵長の視線を辿れば
一生懸命走っているサシャの姿。
サシャの為に水でも用意しておこうかな。
走り終えたら水分補給は大事だしね!
貴「兵長、私は少し部屋に戻りますね」
そう言って、その場を離れる私。
リヴァイ兵長は、去っていく私を見送らず
サシャの方を見つめたまま口を開く。
__私も走れと言われたら体力が続きませんし…
兵長の黒髪を揺らす風とともに
リヴァイ兵長は小さく呟いた。
____サアァ……
リ「エネ…
お前には、500も走らせねぇよ…… 」
その言葉は誰かの耳に入ることなく
風でかき消されていった。
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