114章 信也、『詩とは、芸術とは何か?』の講演する
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たしの詩の体験にとっては
充分である。』と語っています。
おれは、実はこれまで、吉本さんの言うこの詩の定義がわかりませんでした。あっははは。
そこに、つい最近、さっきの宮沢賢治の言葉が、ぴったりくるって思ったんです。あっははは。
『世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はありえない』って言葉ですけど、
これこそは、全世界を凍らせる言葉であり、究極の詩かもしれませんよね!あっははは。
まあ、詩も芸術も、もっと身近なテーマでいいんだと思います。
世界中凍っては、氷河期に突入してしまいますからね。あっははは」
会場のみんなもっ笑った。
「お話をまとめますと、マルクスにしても、宮沢賢治にしても、吉本隆明さんにしても、
人間は、自然や他者との、豊かな交流や共感や交感の中でこそ、幸福に生きられるのだと、
言っていると、おれは感じています。そこに詩や芸術も生まれるのだと思います。
・・・これで、きょうのおれのお話は終わりにしたいと思います。
きょうは、世田谷区の、たまがわ花火大会ですよね。
朝方の大雨や、にわか雨もありましたけど、本日は予定通りの花火大会がきっと実現できます!
きょう、ここにお集まりのみなさまには、ご案内の地図にある場所に、
シートになりますけど、観覧席をご用意してあります。
きょうは、7時から開幕で、花火は打ち上がります!みなさんで、楽しいひとときを過ごしましょう!
夜空の大音響の色鮮やかな花火は、真夏の芸術です!あっははは。
それでは、これからも、みんなで、いつも元気に、いろいろと楽しくやってゆきましょう!」
「しんちゃんと、いっしょに、花火を見れるなんて、最高です!」
女子学生が、そう言った。会場からは拍手が鳴りやまなかった。
この講演で、配られた、吉本隆明の著作の『マルクスの自然哲学』は、下記のものだった。
ーーー
『マルクスの自然哲学』
自然に対して何か働きかけを行うと、必ず人間のほうも変容してしまいます。
「もうひとりの自分」になってしまう。マルクスの『経済学・哲学草稿』のなかの言葉でいえば、
「有機的自然物」になってしまう。
<中略>
人間が自然(外界)に働きかけたとき、心身ともに ── つまり精神的にも物質的にも ──
どういうことが生じるかという問題は、ぼくの知っているは範囲では、
マルクスしか言及していません。
マルクスは、「人間が精神的ないし身体的に自然に働きかけると、
自然は価値化する」といっています。人間が働きかけると、ただの自然でなくなって
「価値的自然」になる。人間の延長線になって、人間の役に立つような価値を生じる。
したがってそれは、人間の身体の延長線に
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