ターン54 炎の幻魔と暴食の憑依
[6/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
るため、俺が攻撃しようがしまいが結果は同じ、か……」
ボタニティ・ガール 守1100
サンドモスの時もそうだったけど、カードの精霊だからこそ、カードのことを知り尽くしているというべきか。どちらに転んでも確定でサーチが行われるといういやらしい状況に持ち込まれてしまった三沢だが、その迷いはほんの一瞬だった。
「だとしても、ここで攻撃してダメージを通す!バトルだ、イフリート!そしてイフリートの攻撃力は、自分バトルフェイズの間300ポイントアップする!」
炎の精霊 イフリート 攻1700→2000→ボタニティ・ガール 守1100(破壊)
「ボタニティ・ガールの効果。捕食植物フライ・ヘルをサーチシヨウ」
「だが、これでお前の場はがら空きだ。やれ、業火!」
怨念を燃料として無限に燃え盛る壺の家紋部分が光り、そこから勢いよく炎が噴き出る。その衝撃は僕の場所から見ているだけでもとんでもなく熱そうだったが、当の精霊はというと自分の全身が燃えているにもかかわらず、まるで無頓着のままで火を消そうともしない。どうやら、炎の熱がまるで効いていないようだ。
だが、その全身を隠す砂にとってはそうでもなかったらしい。業火の一撃がなにかを狂わせたのか、謎の精霊の全身から、ずっと身にまとっていた砂が次第に剥がれていく。
怨念の魂 業火 攻2200→???(直接攻撃)
??? LP3900→1700
「さあ、お前の正体を見せてもら……何!?」
やがて業火の炎も収まってきて、ついに三沢の相手の正体が明らかになる。あ、なんかあのモンスターには見覚えがある。確かそれなりに歴史のあるモンスターだ……けど、名前も効果も出てこない。
「チャークチャールさーん」
『わかったわかった。奴は、固有の名を持たない闇属性かつ悪魔族のモンスター。カードとしての名はブラッド・ソウル……憑依するブラッド・ソウルだ』
ブラッド・ソウルね、了解。当然博識の三沢もその名前に思い当たったようだが、どうも様子がおかしい。尋常ではないぐらいに険しい顔をしていて、話しかけられる雰囲気ではない。チャクチャルさんにもう1度ヘルプを求めようとした時、ようやく三沢が口を開いた。
「憑依するブラッド・ソウル……そうか、そういうことか。悪魔族のお前がこんな砂漠のど真ん中に生息しているはずもない、マルタンに呼ばれたか?」
「マルタン?ああ、今はそんな名前の人間に憑いてるんだってナ。マルタン様と言いな、様ト」
「マルタンが!?」
あのモンスター、マルタンが召喚した精霊だって言うのか。確かにマルタンがデュエルするところは見たことがなかったけど、だからといって精霊が見える僕や十代に気づかれることなく精霊と共に過ごしていたなんて考えにくい。となると、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ