ターン54 炎の幻魔と暴食の憑依
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捕食植物フライ・ヘル(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
「俺のターン!」
いくらさっきのターンを耐えきったとはいえ、あのカードはどれも一時しのぎにしか過ぎない。ここで逆転しなければ、今度こそ道はない。だけど、不思議と心配には思わなかった。三沢はよく十代や僕のここ一番での引きをずば抜けていると言って羨んでいたが、僕に言わせれば三沢だって大概だ。三沢に任せておけば、必ず勝ってきてくれる。そんな安心感は、昔も今もまるで変わっていない。
そして、そんな三沢が引いたカードは。
「来たな……!俺は、俺のフィールドに表側表示で存在するトラップカード3枚をコストとして墓地に送る!」
「何ダト!?」
「まさか!」
聞き覚えのある召喚条件とともに、異世界の空にその咆哮が響き渡る。あの赤い体は、3幻神のうち1枚、オシリスの天空竜にも類似するあの禍々しい巨体は、間違いない。
「出でよ、神炎皇ウリア!そしてこのカードの攻撃力は、俺の墓地の永続トラップ1枚につき1000ポイントとなる!」
神炎皇ウリア 攻0→3000
「ふざけた真似ヲ!」
「俺がこの異世界で、なぜデッキも無しに生き延びることができたと思う?このカードを持っていたから、並みの精霊はよほどのことがない限り近寄ろうとしなかったのさ。まずはその伏せカードを破壊する、ハイパー・ディストラクション!」
ウリアの特殊能力の1つ、チェーンを許さずに伏せカードを破壊する能力。しかし、その口から衝撃波が放たれることはなかった。
「ククク……マルタン様から、そのカードについては一応聞いていたサ。三幻魔の1体でありながら人間の側に着いたつまらん精霊として、そしてその弱点もナ。お前は攻撃力こそ墓地に応じて上がっていくが、守備力は変化シナイ。さらに売りの伏せカード除去能力も、召喚成功時に発動させちまえば畏れるに足りないッテナ。俺はお前の召喚時にトラップカード、手のひら返しを発動させてイタ。このカードは元々のレベルと違うレベルを持つモンスターが存在するとき、フィールドのモンスターを全て裏側守備表示に変更スル……ウリアはともかく、俺の場のモンスターは全てレベルが変動している、よって条件を満たすのもたやすいという訳サ」
神炎皇ウリア→???
炎の精霊 イフリート→???
怨念の魂 業火→???
捕食植物フライ・ヘル→???
「そう、か。俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」
「残念だったナア、せっかくの切り札も不発に終わってヨウ!俺のターン、ドロー!」
「……」
悪魔的な笑いと共にカードを引くブラッド・ソウル。だがもはやそのカードを見ることすらせず、今さっき裏側になったモンスターたちをまた攻撃表示に変更していく。それに対して三沢は
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