百六 人形劇の黒幕
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に見せかけていた人形の胴体が真っ二つに別れた。傀儡人形と、人形から伸びていたチャクラ糸を、先ほどの手裏剣同様、ナルトが鋼糸で断ち切ったのだ。
呆然とするセツナは、己の背後から迫り来る自らの得物の接近に気づかなかった。
手裏剣の一つがセツナの頭目掛けて飛来する。ナルトがわざとチャクラ糸を断ち切らずにいたセツナの最後の手裏剣である。主人の手元へ自然に返ってくる手裏剣故に、自身向かって飛んできたソレを見て、セツナは慌てた。
木の枝々をスパッと切り刻みながら、迫る鋭利な手裏剣。
彼はチャクラ糸を全てナルトに切られていると思い込んでいる為、手裏剣のコントロールが利かないと思っていた。
手裏剣から逃れようと身を屈めたセツナは、目の前の巨木の幹に頭を強打する。ふらりと遠退く意識の中、ナルトがいた方向からぽんっと軽い白煙が立ち上った。
(―――影分身か…ッ)
糸も人形も、相手の方が一枚も二枚も上手だった、と悔しくも認めざるを得ないと、失神間近にて、セツナはしみじみ実感したのだった。
腕を振るう。岩を容易に切断する脊柱の鞭は、しかしながらギタイの強靭な身体に対しては、大した衝撃は与えられないようだった。
ギタイと対峙しつつ、背後の森奥へ向かったナルトの姿を、君麻呂の眼が無意識に追う。その視線の先に気づいたのか、「よそ見は感心しないでありんすな〜」とギタイが片腕を持ち上げた。
破れた袖の中から覗くのは、石の如き表面に覆われた巨大な拳。
人間の頭をすっぽり掴めるほどの手が、君麻呂の頭蓋骨を破壊せんとばかりに襲い来る。身を翻してギタイの拳から逃れた君麻呂だが、次の瞬間吹き飛ばされた。
崖から落ちる寸前に空中で体勢を整えた君麻呂が見たものは、自由に伸縮するギタイの腕。
伸び縮み出来る事実を知らなかった故に、相手との距離を見誤ったと君麻呂は眉を顰めた。
「ガキの喧嘩じゃねぇんだ。もっと派手にいくでありんす」
伸縮自在な石の腕が君麻呂の全身の骨を砕こうと襲い掛かった。それを素早い身のこなしで避けた君麻呂が脊柱の鞭をしならせる。
「【土遁――硬化術】!」
身体を更に硬化したギタイに、鞭が弾かれる。だが君麻呂の目的は攻撃ではなかった。
非常に長い脊柱がギタイの身体を雁字搦めにする。一瞬、身動き出来なくなったギタイから生まれた隙を君麻呂は見逃さなかった。
もう片方の腕から巨大な骨の矛を作る。最硬化した骨の矛が、捕らえた獲物に照準を合わせた。
「貴様の身体がどれほど硬いのか、試させてもらおう」
【鉄線花の舞・蔓】に続いての【鉄線花の舞・花】。
岩の如く硬いギタイの身体を、硬い骨の矛が迫る。今にも貫こうとした矛は、しかしながら、相手に触れる寸前に動きを
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