かみ合わない返答
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
事故が起こったのは、ミスである。
誰にでもミスはあるものだ。無論、社会人なら、そのミスの責任を取らなくてはならないが、人間性を疑われるようなことではない。
だが、その事故を隠ぺいしようとしたことは、故意である。悪意ある対応である、と言わざるを得ない。
これは、人間性を疑われても仕方のない行為である。
おれは、即座に運営に問い合わせた。
9月17日のことである。
だが、やはり、返事は来ない。
数日の内に、三通の問い合わせメールを送った。
「この件は、他の不具合とは重要性が違うと認識しております。早々にお返事を頂けますでしょうか」
要約すると、そんなところだ。
そして、9月23日の夜、やっと、バッドノベルスから返信が来た。
問い合わせ続けて、一週間後のことである。
だが、そこに書かれていた文面は……。
――何のつもりだ、これは……?
おれはまた、唖然とした。
そこに書かれていた短い文面には、事実確認すらしていないことを推察できる文言と、
「Sk○peテキストベースのチャットで話しをしたい……」
という、訳のわからないものであった。
何より、『アドレス流出事故』を起こしたことへの謝罪もなく、メールの削除依頼や、今後の対策と反省――そういったものが一言も書かれていなかったのだ。
おれは即座に、彼の人間性を疑った。
自分が仕事でミスをしたとしたら、まず最初に口にするのは、謝罪である。そして、真摯に反省をし、今後の対策を検討する。
それが、誠意ある対応、というものである。
それなのに……。
事実確認もしていない内から、一体何の話しをしようというのか、それも謎なら、その話し合いの場が、Sk○peテキストベースのチャット、とうのも変な話だ。――いや、社会人としての常識の範囲では、考えられない。
おれは、その短い文面に呆れながら、何度もその文面を読み返した。
この人に常識は通用しないのか――そうも思った。
長年、社会人として、社会の常識の中で生きて来たおれにとって、ミスをしておきながら謝罪もせず、事実確認すらせず、また、何の対策も取らず、これからのミスの防止についても、何一つ書かない。
こんな非常識なことがあるだろうか。
おれはすぐにネットで、過去の『個人アドレス流出事故』についての対応例を検索してみた。
どこの企業も公的機関も、その日の内に対応し、謝罪し、流出経路を明らかにして(CCとBCCを間違えた、であるとか、サイバー攻撃をうけた、であるとか)、今後の対策と共に、すぐに被害者に誠意を見せている。
もちろん、それが普通である。
ここの運営は、その普通の対応が出来ないのだ。
おれは、すぐに返信をした。
「すみません。意味がよく解りません。な
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ