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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十話 自由惑星同盟に行ってきます!
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ハルトはそれを聞いて身震いした。皇帝陛下の声に不快さを覚えたのではない。一瞬だったが、何もかも見透かされているのではないか、そんな気持ちにさせられていたのだ。
「あの皇帝陛下には気を付けるのよ、ラインハルト。一見凡庸なように見えてその実本心を韜晦なさっているところがおありなのだから。」
イルーナがいつになく厳しい調子でくぎを刺したことをラインハルトは思い出していた。
そうだ。俺はこんなところで終わるわけにはいかない。何よりそんなことをすれば、姉上が、キルヒアイスが、アレーナ姉上が、イルーナ姉上が悲しむことになる。俺を叱ってここまで導いてくれた人たちが悲しむ。俺をよりどころにしている部下たちを路頭にさらすことになる。そうラインハルトは思い、ぐっと拳を握りしめてひたすら皇帝陛下の謁見に耐え続けた。
「では、そちの功に報いるにささやかな物を余から送りたいと思う。そちが気に入るかどうかはわからぬがな。」
???とラインハルトはいぶかしげに心持皇帝陛下のほうに視線を移す。もちろん失礼のない様にであるが。
「はっはっは。気になるか。では、控えの間で儂の近侍から言伝を受けるが良い。」
フリードリヒ4世は立ち上がり、侍従たちに助けられて奥に退いていく。謁見はそれで終わりだった。
ラインハルトは黒真珠の間を出るまで表情を変えなかったが、控えの間に出たとたん、息を大きく吐き出していた。
「大丈夫だった?」
軽い笑いを含んだ声がする。顔を上げると、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトが大将の制服上衣と黒いスカートを履いて、ラインハルトに微笑みかけていた。軽く左手を腰にあてがって。ステンドグラスから差し込んできた一条の朝の光が彼女の全身を美しく染め上げている。一点の絵。そうなりそうな光景だとラインハルトは思った。
「あぁ、イルーナ姉上でしたか。驚かさないでください。それにしてもいつここに?」
彼女は軽やかな足音を控えの間――紫水晶の間――にひびかせて歩み寄り、
「私はあなたの前に謁見を受けたのよ。ほんの数分だけだったけれど。そこでささやかな贈り物があると皇帝陛下から言われたわ。」
幸い今日の控えの間は、珍しいことに人がいない。ラインハルトとイルーナの二人だけである。あらゆるものの中心であるノイエ・サンスーシのそのまた中心点にしては奇妙なことだった。だが、案外それは当たり前なのかもしれない。大きな台風ほどその中心の眼となる部分は、晴天に満ち溢れ、穏やかな天候となるものだから。
「イルーナ姉上もですか、それにしてもいったい何なのだろう?」
考え込んでいるラインハルトはふと顔を上げ、こちらを穏やかな眼差しで見守っている相手に気が付くと苦笑した。
「その様子だとイルーナ姉上はもう答えを知っておいでのようですね。」
「ええ。おそらくはね。でも、それはあ
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