第41話(2章終了)
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「それと私とセドリックの方もB班の働きには助けられたよ。市内の混乱の収拾……改めて礼を言わせてもらおう。」
「勿体ないお言葉。」
「ふふっ…………お役に立てて光栄です。」
オリヴァルト皇子の感謝の言葉にガイウスとエマは会釈して答えた。
「フフ、”Z組”設立のお礼をやっとお返しできたみたいですね。それにしても……”帝国解放戦線”ですか。」
「ああ……ノルド高原での一件……さらには帝国各地の幾つかの事件。今までにも暗躍の気配はあったが今回、ついにその名前を明らかにした。”C”をリーダーとする数名の幹部たちに率いられた純然たる恐怖主義者たち。現在、情報局でメンバーの洗い出しを行っている最中らしい。」
サラ教官の言葉に頷いたオリヴァルト皇子は真剣な表情をした。
「……こう言っては何ですが不思議な人たちでしたね。わたくし達を連れ去りながら悪意を余り見せる事なく……それでいて内に秘めた激情に取り憑かれているかのようでした。」
「……はい。もちろん、姫様や私を攫ったことは許されることではありませんが……」
「内に秘めた激情……」
「……そんな感じはしたかも。」
アルフィン皇女とエリゼの言葉に続くようにラウラとフィーは静かに呟いた。
「『静かなる怒りの焔をたたえ、度し難き独裁者に鉄槌を下す……』……彼らのリーダーの言葉です。」
「確かにそう言ってたな……」
「フッ……まあ、そんな露骨な言葉なら誰でもわかるだろうね。」
リィンとマキアスの説明を聞いたオリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべて頷いた。
「『静かなる怒りの焔』……そして『度し難き独裁者』。」
「まあ、何を示しているのかは明らかではあるが……」
そしてサラ教官の言葉にオリヴァルト皇子が続こうとしたその時
「皆さん……!」
セドリック皇太子がレーグニッツ知事と共に現れた。
(あ……)
(も、もしかして……)
(父さんも……)
二人の登場にリィン達が驚いている中、二人はリィン達に近づいてきた。
「セドリック……何とか間に合ったわね。」
「フフ、いいタイミングだ。」
「皇太子殿下……」
「わざわざお見送りに来ていただいたのですか。」
「ええ、お世話になったからにはこのくらい当然ですから。あ……こちらの方々が”Z組”のもう一班なんですね。――――初めまして、皆さん。セドリック・ライゼ・アルノールです。この度は、姉の危機を救っていただき、本当にありがとうございました。心よりお礼を言わせてもらいます。」
セドリック皇太子はリィン達を見つめた後自己紹介をし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ