第三十六話 要塞都市リュエージュ
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るほど、男の人は離れてゆくんじゃないかと心配になるんです」
「お黙りなさいカトレア。この話にエレオノールは関係ありません。それと王妃に成ろうとする者が魔法もろくに使えないでは諸外国から侮られますよ」
「……分かりましたお母様」
カリーヌ夫人の威圧にカトレアはシュンとして小さくなった。
その光景を遠目で見ていたマクシミリアンは『レビテーション』で土砂を持ち上げ、開かれた箱の中に適量の土砂を流し込んだ。
『ヘスコ防壁』とは、分かりやすくいえば土嚢を巨大化させたものだ。金網と布で出来た底の無い箱に土砂を入れて、それを数珠繋ぎに設置して防壁にする。設置が簡単で、爆発に対してはコンクリート壁より強だ。
城壁は見る見る内に完成していった。作業は深夜になっても続いていて、多くのメイジが精神切れを起こさない様にシフトを組んで当たらせた。
古城の周りの堀は更に深く掘られ、敵に対し効果が期待された。
平民の兵士達もメイジや工兵のアシストに回ったおかげで夜明けまでには堅牢な城砦へと姿を変えた。
☆ ☆ ☆
マクシミリアンはグリアルモントに今後の防衛計画の説明を受けていた。
「この完成した古城で反乱軍を迎え撃つのか?」
「いえ、この古城はあくまで支城で砲撃陣地として利用します。高い城壁を持つリュエージュに殿下と司令部は移っていただきます」
「と言う事は軍を分けるのか?」
「リュエージュ内にも砲撃陣地を構築し、相互に支援しあう事で敵を撃退する予定です」
「そうか……まぁ、いちいち口は挟まないよ。上手くやってくれ」
「御意」
翌日、古城の城壁になるヘスコ防壁を完成させたマクシミリアン軍は古城にロケット砲撃陣地を構築し、ラザールを守将に置いた。
マクシミリアンはラ・ヴァリエール母娘と共にリュエージュに移り司令部と本隊も移った。
古城には守将にラザールとロケット砲部隊と1500の兵が残り計画通り相互に防衛しあう事になった。
マクシミリアンはリュエージュ市民に戦場になるため何処かに避難することを勧めたが、市民達は拒否し逆に蓄えの食糧や武具を軍に提供した。
これに対しマクシミリアンは
「ありがたいけど、大丈夫なのかな?」
と呟き家臣に、戦後ある程度保障してやるように伝えた。
……
リュエージュに移ったマクシミリアンに朗報がもたらされた。
トリスタニアで新型銃を作成していた銃職人達がミニエー銃1000挺を持って応援に駆けつけたのだ。すぐさまミニエー銃を配備させマクシミリアン軍のリュエージュ防衛には、その威力
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