第三十六話 要塞都市リュエージュ
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『反乱軍およそ2万、リュエージュに接近中』
マクシミリアンの下に急報が届けられたのは、参謀らと共に古城の一室で会議を開いている時だった。
「本当か!? 誤報ではないな?」
「はい! 間違いありません!」
兵士の話では、偵察の軽竜騎兵がリュエージュに近づく反乱軍と思しき所属不明の軍勢を発見したという。
「それにしても2万は多くないか? それだと反乱軍の総兵力になるけど」
『おそらく総兵力を投入したのでしょう』
「何の為に?」
『連戦連敗の反乱軍は、マクシミリアン殿下を人質にして講和に持ち込もうと思っているのでしょう』
会議に参加していたジェミニ兄弟がマクシミリアンの疑問に答えた。
「反乱軍はそんなに追い詰められているのか」
『初戦で殿下に有力貴族の殆どを潰されましたからね。その性で反乱軍の評判はガタ落ち。負けると分かっている者に協力するような酔狂なものは居ませんよ。拠点の無い反乱軍にとって、今回の進軍は乾坤一擲の大博打であり、初戦の殿下への趣旨返しもあるのでしょう』
ジェミニ兄弟は長文にもかかわらず、見事にハモって進言をやり通した。
「そうか……でも、これはチャンスだな」
「チャンス……ですか?」
発言したのはカリーヌ夫人で、彼女も会議に参加をしていた。
カトレアも同行してリュエージュ郊外の古城にカリーヌの監視付きで、さながら婚前旅行の様にマクシミリアンと同じ部屋で滞在していた。
『はい、この軍勢を打ち破れば、内乱は我らトリステイン王国の勝利です』
だが、現在のマクシミリアン軍は独立軍を編成して切り離してしまった為、5千にも満たない。
「5千にも満たない軍勢で2万を迎え撃つのは……」
「迎え撃つ準備をする、至急グリアルモントを呼んでくれ。それと、この事を王宮と諸侯軍にも知らせ援軍を送るように要請を、上手く行けば反乱軍を逆に包囲殲滅する事ができる」
「御意」
十数分後、工兵隊隊長のグリアルモントが会議室にやって来た。
「グリアルモント。話は聞いていると思うけど、反乱軍の軍勢2万がリュエージュに接近中だ。僕達はこれを迎え撃つ。そこでグリアルモントには防衛陣地の構築の指揮を執ってもらいたい」
「御意にございます」
「敵は数日中に来る。時間的に難しいから僕も協力しよう、扱き使ってくれ」
王族である自分を扱き使うように命令した。
「早速ですが殿下……」
「ああ」
普通の将官なら恐縮して何もさせようとしないが、気骨のあるグリアルモントは一瞬のためらいも無く防衛計画について語り始めた。
……
その後、マクシミリアンはグリアルモントに着いて行き駐屯地の古城の外
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