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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十九話 第三次ティアマト会戦の始まりです。(その2)
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「後で聞こう。まずは目前の敵の掃討だ!!」
ラインハルトは暗殺者たちから向きを変え、敵に胸をさらした。
「展開中のワルキューレ部隊を迎撃に回せ!!機関部を集中攻撃だ!高速には小回りをもって対応するのだ!」
ワルキューレ部隊は、高速艦隊の周りに展開すると、群がる蜂のように片っ端から攻撃し始めた。目的は撃沈ではなく、足止めである。ワルキューレ部隊の攻撃を受けた敵の高速艦隊は、機関部を集中的に攻撃され、足止めを余儀なくされたのである。その間隙をぬってさっと艦列を後退させたラインハルトは、敵の足が止まった一瞬の隙を逃さなかった。
「今だ!!敵の足が鈍ったぞ!!主砲、斉射、3連!!」
ラインハルト艦隊8000隻は主砲斉射すること3連、相手に徹底的にビーム砲を叩き付けた。
クリスティーネの周りでは護衛艦が爆発四散する光景が随所にみられ、ここまで懸命に奮闘してきた彼女にも攻勢に限界が来ていることがわかった。彼女はシュタインメッツに問いかける様な眼差しを彼に向けた。
「敵に対しては2000隻の損害を与えました。一矢報いたことは事実です。ここはいったん撤退すべきでしょう。」
冷静にシュタインメッツは意見を述べた。
「その倍の損害を被ったのは手痛いけれど、シュタインメッツの言う通り、これ以上の戦闘継続は無意味ね。全艦隊、後退!」
鮮やかな撤退だった。ラインハルト艦隊よりも倍の損害を受けているにもかかわらず、艦隊は秩序をもって後退していく。それを見たラインハルトは追撃停止の指令と、艦隊の陣形再編を指示した。ひとまず第十三艦隊との戦いはけりがついた形である。
「付け入る隙があまりないな。同盟の奴らにも歯ごたえのあるやつらがいると見える・・・。」
一瞬ラインハルトの顔が不敵な色に染まる。が、彼はすぐに後ろを向いた。
「さて、卿等を使嗾して私を暗殺しようとした黒幕は誰だ?答えてもらおうか!」
司令官を暗殺しようとしたのである。通常であれば間違いなくその場で射殺されて当然の事態である。にもかかわらず、暗殺を敢行してきた3人の背後にはよほど強力な後ろ盾がなければならない。もしくは精神的に気が狂っているかどちらかだ。
ノルデン少将は先刻までの顔とは形相が一変していた。ラインハルトを憎々しげににらみつけ、口からは泡すら飛ばしながら罵詈雑言を浴びせ続けていた。
「貧乏貴族のこ倅め!!姉に対する皇帝陛下のご寵愛で成り上がった不届き者め!!」
「私の敵の誰もが好きな歌だな。ヘルダー大佐も歌っていたし、クルムバッハ少佐も歌っていた。卿もそう言った合唱団に入った一人だと見える。もっとも、あまり品がないように私には思えるがな。」
皮肉交じりな冷めた目でノルデン少将を見たラインハルトは、
「答えろ!!貴様を使嗾したのは誰だ!?ベーネミュンデ侯爵夫人か!?」

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