第二章
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「パスタをな。それにだ」
「ワインですね」
「イタリアのワインはフランスのものとはまた違う」
「独特の味がありますよね」
「はっきり言おう。美味だ」
イタリアのワインもだ。シャリアピンは手放しで賞賛した。
「あのワインを本場で飲もう」
「では今から」
二人でレストランに入りだ。そのうえでパスタとワインを楽しむのだった。パスタもワインも確かに見事だ。だがそのレストランにだ。
あからさまに柄の悪い男達がいた。その彼等がだ。
周囲を威圧しながら御馳走を食っていた。その彼等を見てだ。
シャリアピンは不機嫌な顔になってだ。こうマネージャーに囁いた。
「ああしたのは何処にでもいるな」
「そうですね。パリにもいますし」
「ロシアにもいた」
本当にだ。何処にでもだというのだ。
「そしてイタリアにもか」
「それどころかですね」
どうかとだ。マネージャーがシャリアピンに言うことは。
「この国は特に酷いんですよね」
「マフィアだったか?」
「ええ、まずはシチリアにいまして」
「そうらしいな。最近アメリカでも色々やっている」
アル=カポネはまだ頭角を表すか親分の下にいた頃だ。だがアメリカ全体でそのイタリア系の犯罪組織の暗躍が問題になりだした頃だったのだ。
「その連中の故郷だからか」
「はい、このイタリアは特に酷いんですよ」
「ナポリでもそうなんだな」
「シチリアはマフィアで」
そしてだというのだ。
「この辺りはカモラですね」
「カモラ?マフィアじゃないのか」
「同じ犯罪組織ですけれど別のルーツなんですよ」
そうだとだ。マネージャーはトマトに茄子にガーリックをふんだんに使いオリーブ油の見事な光沢を放つパスタを食べながらだ。シャリアピンに話した。
「シチリアとナポリじゃ」
「そうなのか」
「で、ナポリも裏でね」
「そのカモラが色々やっているんだな」
「そうです。で、あの連中が多分」
その柄の悪い連中を見ながらだ。マネージャーはシャリアピンに話した。
「それですね」
「カモラか」
「関わり合いにならない方がいいですね」
「ゴロツキにはそうだな」
「色々とせびってきますからね」
「本当にパリにもそういう奴は多いからな」
「で、イタリアは特にです」
この国はというのだ。マネージャーはまたこの話をしてきた。
「多いですからね」
「わかった。それではな」
「あの連中とは関わらないってことで」
「そうするか」
そんなことを話しながらだ。二人はパスタにワイン、その他のナポリの味を楽しんだ。チーズにオリーブ、それにチーズをふんだんに使ったナポリの料理は最高だった。その料理とナ
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