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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十九話 マリーンドルフ伯の戦慄
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いるのだろうか?

「それにしても、あの場で即座に案が出るとはさすがですな。私などには到底無理です」
ヴァレンシュタイン司令長官は私の言葉に苦笑を漏らし、リヒテンラーデ侯に視線を向けた。司令長官に釣られてリヒテンラーデ侯を見ると侯も苦笑を漏らしている。

どういうことだ? 二人とも苦笑を漏らしている。まさか……。
「違うのでありますか」
恐る恐る問いかけたが二人とも答えない。かえって苦笑を深めただけだ。そして侯と司令長官は目で何かを語り合っている……。

戦慄が心を、身体を襲う。まさかとは思う。だがあの領地替えの案は事前にリヒテンラーデ侯、ヴァレンシュタイン元帥の間で検討されていた事だったのか? いや、それだけだろうか? ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯はどうだろう、四者間での話し合いが事前に有った?

だとすれば、あの会議は最初から筋書きが出来ていたのかもしれない。ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯は貴族達を切り捨て、新帝国成立に協力する。その証として妻と娘を人質として差し出す。目の前で静かに苦笑する二人を見ながら私は懸命に混乱する自分を立て直そうとしていた。一体真実は何処にあるのだろう……。






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