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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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【1】

 破滅の戦風が吹き荒ぶアンダーワールド。
 常人には知覚、認識するコトも許されない因果の環。
 暗い木欄色の火の粉が不可思議な紋字と共に舞い踊る空間の中心で、
美女は邪な微笑を浮かべ呟いた。
「ラミーを追ってる途 次(みちすがら)
私の存在を感知した徒に襲撃を受ける。
いつものパターンね。全く困ったものだわ」
「ナニ言ってやがる。
だったら気配消してヤツらの存在を感知してもシカトすりゃあいいじゃねーか。
毎度毎度律儀に会う徒遭う徒全部ミナミナ殺しにしちまうから
肝心要のラミーのヤツにゃあ逃げられてンだろーがよ」
「当ッ然でしょ!! クズ追ってる先でクズを見つけたら跡形も遺さず討滅する!!
ソレが私達 “フレイムヘイズ” なんだからッッ!!」
「まッ、当然だァな。精々ラミーのヤローに気取られてないコトを祈ろーぜ」
「気取るスキなんて与えないわよ。
第一 “私の封絶” じゃないんだから。
寧ろヤツの方がこの気配に誘き寄せられる可能性の方が高いわ。
流石に封絶の中にまでは入ってこないでしょうけど」
 互いに慣れた口調で美女と 『本』 は些かの動揺もなく言葉を交わす。
「そうなったらすぐにでも見つけだしてあげるわよ。
まさか今回に限り嗅ぎ廻ってるのがただの人間だとは
流石のアイツも想わないでしょ。
ねぇ?ノリアキ」
 そう言って美女が振り向いた先。
 火の粉舞い散る陽炎のゆらめきの中、ピタリとその場に停止する青年の姿が在った。
「……」
 アスファルトに反照する封絶の木欄にその中性的な風貌を当てられる美男子を、
マージョリーは正面からしげしげと見つめる。
「止まっちゃったか。当たり前だけど」
 事も無げにそう言い特に意識した様子もない美女を後目に、
まるで心を持たぬ人形のように一点を凝視したまま、花京院 典明は動かない。
 無論この特殊空間、因果孤立領域 “封絶” のコトを彼は知っている。
 いつも当たり前のように友人の隣に侍る少女から(心情的に面白くないが)
そして今はもう亡き純白の貴公子から、何度も同じ 『能力』 を視せられたコトが
在りその説明も受けているから。
 しかしそのコトを、敢えて花京院は秘匿した。
 別に “彼女” のコトを信用していないわけではない。
 だが場に無用な混乱を招きかねないという判断と、
彼女が自分に求めるモノとを察しての決断だった。
 彼女が欲しているのはあくまで “案内人” 情報提供者とその補佐に当たる者であり、
戦闘の片腕(パートナー)では決してない。
 ソレに 『スタンド使い』 は、極力己の能力を他者に識られないようにするモノ。
 己の威容を誇示しそのスベテを相手に刻み込もうとする
“フレイムヘイズ” とはその存在の本質
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