第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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てしまったかもしれないという
懸念が花京院の心中に渦巻いていたが、
しかしこの者が狙う女性を死なせるわけにはいかなかった。
多くの人々の生命が懸かっている。
何より、アノ時は想うよりも先に躰が勝手に動いた。
やがてズタボロの巨体を微かに蠢かせ、呪詛に充ちた声で徒が遺した言葉。
「呪われろ。蹂躙の従者……!」
ドグッッッッッッシャアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ
ァァァァ――――――――――ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!
言葉の終わり痛烈な壊滅音と共に、一際色濃く空間へ噴き迸る木欄の炎が在った。
拳中にスタンドパワーを集束させ、
触手で繋がれた振り子運動の瞬発力に拠って“徒” の顔面を完全破壊したスタンド、
ハイエロファント・グリーンの手から伝わる感触。
他者の生命を叩き潰し、そして屠った死の感触が絡みつくように
腕の神経を伝わり脳幹を直撃する。
「……」
何度、否、きっと何万回繰り返したとしても、慣れるコトは決してない。
それが救いようのない鬼畜の罪人でも、人喰いのバケモノであっても。
他者の生命を奪うという行為は、どんな正当な理由が在ろうとも。
しかし、『ヤるしかない』
人間としての倫理や法律が通用しない相手には。
斃さなければその非道な行いを阻止出来ないのならば。
『スタンド能力』 とは、きっとその為の能力で在る筈だから。
罪無き人々がこの能力の餌食にされるコトに較べれば、
自分の心の痛みなど、きっと小さなコトの筈だから。
勝利した筈である翡翠の奏者の美貌は、
底の知れない深い憂いで充たされていた。
その彼の傍に歩み寄る、フレイムヘイズの美女。
「ノリアキ……アンタ……」
先刻とは裏腹の呆然とした表情で、グリモアを脇に抱え自分を見ている。
その美女とは裏腹の穏やかな表情で、そして少し困ったような顔をした花京院は、
「御覧の通り “超能力者” です。
手を触れずにスプーンを折り曲げたりは出来ませんがね」
隠し事の見つかった子供のように小さく肩を竦めた。
←To Be Continued……
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