第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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そして爆散したスタンドパワーと共に、
極限の自在法を宿した尾はその威力が故に
美女から遠く離れた上部空間へと千切り飛ばされる。
質量の為に不定型な楕円を描きながら弾け飛ぶ尾が、
木欄色の炎で揺らめくアスファルトに落ちるよりも速く、
グシャアッッッッ!!!!
徒の残った頭部に、その半分ほども在る巨大な翡翠単結晶が穿たれ、
左眼部の正中から上がそっくり削ぎ飛ばされる。
「……が……ぐぉ……ぉぉ……」
確実に勝ったと想った瞬間、己が全霊を尽くして撃ち放った奥の手が
完全に極まる寸前に起こった、まったく予測も付かない現象により
徒は混迷する以外術を無くす。
その彼の傍らにいつのまにか佇んでいた、気配を全く感じさせない一つの存在。
淡い茶色の髪を戦風に揺らし、特徴的な学生服の裾を外套のように靡かせる一人の人間。
「……ミス……テス……」
残った左目で徒が認めた、青年の姿。
その背後に翡翠の燐光を全身に纏わせ、地より浮遊して存在するモノ。
異星人、或いは未来人のような特異な形容
“遠隔操作型スタンド” 『法 皇 の 緑』
「う……うぅぅ……おぉぉ……
うぅぅぅおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……!!」
左目から木欄の炎を垂れ流し、最早立ち上がる力すらも失った徒は
地獄の底でも尚足掻く亡者のような嘆きを漏らした。
何故。
一体何故、このような可能性を見越していなかったのか?
空白の数十年の中、忌むべきこのフレイムヘイズが
“ミステス” を己の傍らに従えているという事実を。
幾ら何の気配も発していなかったとしても、“戦闘用ミステス” なら
ソレは当然の事象だというコトを。
「……」
嘆きの声を挙げ続ける徒の眼前で、その張本人であるマージョリー自身も、
今自分の眼前で起こった光景を理解できないでいる。
“ミステス” ではない。
もしそうならば、最初の時点で既に気づいている。
それなら、目の前のこの少年、カキョウイン ノリアキとは一体何者なのか?
少なくとも、生身の人間で在りながらアレ程の、
紅世の王にも匹敵する能力を携える存在を自分は知らない。
舞い散る木欄にその幽 波 紋 光で彩られた
神秘的な風貌を照らされながら、嘆き続ける徒に向け花京院は静かに告げる。
哀悼のように。敬意のように。
「最後に何か、言い遺すコトはありますか?」
目の前で伏するこの異形の者は、数多くの人間を喰い殺してきた人外の怪物。
だがそれとは関係なく、その瞳には尋常ならざる 「決意」 が在った。
善悪をも超えた、気高き精神の輝きが。
ソレ故に、男の戦いに余計な横槍を入れ
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