第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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瞬間確実に自分は死ぬだろう。
だが、一人では死なない!
徒はあらん限りの精魂を込め、自分に背を向けた忌まわしき存在を貫いた。
“お前も死ぬんだッッッッッ!!!!!”
最後の、自在法。
名も知られぬ徒の、心中に甦るモノ。
それは。
初めて、自分の存在を認めてくれた者の姿。
自分に、生きる意味を与えてくれた王の姿。
徒は、渇望にも似た声で、その存在へと語りかける。
我が王よ。
亡き意に背きしコト、どうかお赦しください。
しかし、私にとっては、
『貴方の御為に尽くす事こそ』
“生きる” というコトなのです。
我が全能の主 『鬼眼大聖』 ガルディス様。
そして乾坤一擲の念いで、発動する極限禁儀。
鬼眼十二衆が一人、闘 暁 角サルファス。
今、ここに、ようやく。
“討ち死にで御座います……ッ!”
(ッッ!?)
突如何の脈絡も無く出現した、美女の背後で渦巻く凄まじいまでの存在の力。
「なァっ!?」
完全に息絶えたと想っていた存在の、予期せぬ叛逆。
振り向いたマージョリーの眼前で既に、
禍々しい木欄の火花を自在式と共に空間へ迸らせる巨大な “尾” が、
視界スベテを埋め尽くし己の存在を呑みこむかのようにして差し迫っていた。
完全に戦闘態勢を解除していた為に、
幾ら総合力で上回ろうとも現時点でソレは関係ない。
超絶的な能力を持つが故の “傲り”
ソレが現代最強のフレイムヘイズの一人 “弔詞の詠み手” の弱点であり、
死に逝く徒が付け込める殆ど唯一の隙。
ただその為だけに、徒は己が身を犠牲にし、その生命までも自在法に託したのだ。
己が全存在を賭けてこそ、初めて発動させるコトの出来る禁儀。
幾ら格上の相手であっても、直撃を受ければ絶命は必死。
しかも無防備の状態で在っては、その裡に秘められた “呪い” の為に
掠っただけでも確実に死ぬ。
だが。
しかし――
ヴァッッッッッッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
オオオォォォォォォォォ――――――――――――!!!!!!!!!!
唐突なる破壊音。
群青と木欄。
その何れの色彩でも無く弾けた、精練無比なる存在の力。
目が眩む程目映い、エメラルドの閃光群。
美女の、目下数pの位置までをも差し迫っていた硬質な外殻に覆われる
禍々しい尾の継ぎ目、その関節部分を中心に無数の翡翠結晶弾が寸分違わず命中し
更に周囲も廻転遠心力で外装が剥離しやがてメリ込んだ内部で炸裂する。
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