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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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――ッッッッッッッ!!!!!!!」
 最早断末の叫びを発するコトも赦されず暗く冷たい忘却の淵へと堕ちていく意識。
 その刹那、名も解らぬ徒の脳裡で、鮮やかに甦る光景が在った。
 時間を超え、空間を超え。
 今ソコに在るコトかのように感じられる、追憶の欠片(かけら)
 強く、そして何よりも美しい、凄烈なる王の姿。
 そしてそれを取り囲む、同じ天命に殉じるコトを誓った、掛け替えのない同胞達。
 いつか還りたいと願う場所。
 永遠の群像で充たされた、光輝ける世界。
 ソレが、決して逃れられない死への暗黒にすら叛逆する。
 絶望の 『先』 に在るモノ。
 たった一つの、想いの結晶。
(……)
 轢き断たれた徒の下半身、その切断面に微少な紋字と紋章が夥しい数で浮かび上がり
やがてソレが木欄色の存在の輝きと共に一点へと集束していった。
 先刻の戦闘中一度も使わず、そして相手の攻撃範囲外に於いていた無傷の “尾” に。
 勝てるとは、(はな)から想っていなかった。
 紅世の王の中でもその狂猛さに於いて、一際異名を鳴り響かせる “蹂躙の爪牙”
ソノ者が自ら 『器』 に選んだフレイムヘイズに敵う等とは。
 しかしその残酷な真実を認めるコトによって、初めて気がつくコトも在る。



『生き残ろうとさえしなければ、付け入る隙が有るというコトを』

『己が死ぬコトによって初めて、限界を超えた威力(チカラ)を発揮する自在法が在るコトを』



 ソレが、亡き王の意に背くコトだと知っていながら。
 誰も望んでいない愚かな行為だと解っていながら。
「……」
 空洞の開いた右眼窩部から落涙のように木欄の炎を散らしながら、
徒は最後の自在法を “触媒” で在る尾に向けて紡ぎ続ける。
 そう。
 解っていた。
 最後に王が自分に遺した言葉の意味は、
決して 『復讐』 しろ等という事ではない。
“そんなコトの為に” 生きろと言ったのではない。
 何がなんでも生き延びろ。
 どれだけ辛くとも、苦しくとも。
 生きているのなら、己が全霊を以て生き抜いてみせろ。
 おまえが生きている限り、オレ達の存在はおまえと共に在る。
 ソレは解っていた。
 しかし、しかし。



“こうせざる負えなかったのだ!”



 掛け替えの無い者達がスベテ命を賭して散って逝ったにも関わらず、
自分だけが生き延び安楽に身を浸すコト等耐えられなかった。
 己の千切れた背後で、呪詛と怨嗟の凝縮した尾が、次第次第に膨張していく。
 その周囲に晦冥(あんめい)の自在式を幾重にも纏わせて。
 その形容(カタチ)も、潰滅ただそれのみを目的としたモノに変換()えて。
 コレが極まろうが極まるまいが、発動した
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