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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#11
DARK BLUE MOONV 〜Revenger×Avenger〜
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を一瞬の内に看破する。
 けたたましい破壊音と共にアスファルトを削岩機のように粉砕し、
即座に美女をへと向き直った大角の徒は返し刀で左の巨剣を大きく薙ぐ。
 しかし。
 既にソレよりも速く、マージョリーの自在法がグリモア内部で発現し
精鋭無比なる攻撃を完了していた。
「――ッ!?」 
 突如徒の巨大な左上腕部が爆薬で吹き飛ばされたかのように抉れ、
力の本流を失った剣はあらぬ方向へと大きく蛇行して街路に突き刺さる。
 血の代わりに迸る木欄色の火花を水流のように吹き散らし、
信じがたいといった表情で己を見る徒に美女が返した微笑は
この世の何よりも静かで冷酷なモノ。
 そして後は、その繰り返し。
「うぅ……ぐおおぉぉ……!」
 モノの僅か数分で、徒は左脇腹をそっくり苅り取られ、右大腿部を骨ごと抉られ、
左上腕部が皮一枚でかろうじて繋がっている状態で地に伏していた。
 さながら、忌まわしきアノ時を再現(トレース)するが如く。
 その標的から正確15メートル先の位置にピタリと就けている美女は、
眼前の惨状とは裏腹の拍子抜けしたような表情で徒を見下ろす。
「息咳切って現れたかと想えばまさか “この程度?”
ハッキリ言って弱過ぎるわ。戦闘殺傷力なら紅世最強を誇る
“蹂躙の爪牙” を舐めてるんじゃないでしょうね?」
「自在法なら現フレイムヘイズ最強の我が愛しの酒 盃(ゴブレット)のコトもなッ!
テメーもケンカ売るんならちったぁ相手考えろや!
しぬぜ! シヌぜ!! 死ぬぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
 普段は仲が良いのか悪いのかよく解らない二人だが、
戦闘時の睦まじさは極上モノ。
「……ッ!」
 己の頭上から降り注ぐ忌むべき者の嘲弄に、
徒はただ歯噛みする以外余儀がなかった。
 眼前のフレイムヘイズが繰り出す攻撃を防ぐ術、躱す術、
対応策はなに一つ思いつかない。
 ただ気がつくとヤられている。
 認識できるのはソレのみ。
 アノ女の視線が微かに動いた瞬間、肩から下げた神器から
高速で飛び出す魔獣の頭部を成した(そうだと理解できたのは全て事後)
蒼い炎が、既に己の躯に喰らいついているのだ。
 そして痛みを知覚する間もなく、その牙が着撃箇所を跡形もなく咬断する。
 後に残された自由は、ただ苦悶の絶叫を挙げるコトだけ。
 戦闘の 「相性」 が良いとか悪いとかいう問題ではない。
 ただ単にレベルが違う。
 ただ単に次元が違う。
 己の眼前で繰り広げられる “蹂躙” を、
(つぶさ)にその双眸に焼き付けていた花京院は
陽炎舞い踊る空間で冷たい雫が頬に伝うのを感じた。
「……」 
 圧倒的過ぎる、そして凄惨に過ぎる。
 単純な戦闘能力だけなら、この美女は自分の良く知る少女を、
そしてあの
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