機動戦艦ナデシコ
1429話
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いが現状から脱出する事は出来ない。つまり、大人しく捕らえられるしかないんだが……問題は、炎獣が足を離した時か。
木連の兵士達は、まだ完全に炎獣に慣れている訳ではない。
それどころか、白炎で出来た獣という事で、恐怖や畏怖すら抱いている。
そうなると、当然炎獣が北辰の身体から足を離した時には隙が出来る筈であり……この世界の住人としては腕の立つ北辰だけに、俺も少し手を貸した方がいいか。
「ちょっと手伝うか。少し退いてくれ」
俺の言葉に、木連の兵士達が月臣へと視線を向ける。
月臣がそれに頷くと、北辰を囲んでいた兵士達が距離を取って俺が入る場所を空けた。
「……」
そんな俺の様子を、無表情で見る北辰。
俺がここに戻ってきた時には叫んでいたが、あの時に比べると大分落ち着いたのか?
まぁ、こっちとしてはどのみちやるべきことは変わらないんだが。
「俺が近づく……そう思っているのか?」
そう尋ねるも、北辰の表情は一切動かない。
この辺の自制はそれなりに評価してもいいよな。
だが……この場合、何を狙っているにしても、あまり意味はない。何故なら……
パチンッと指を鳴らすと、俺の影から影槍が一本生み出される。
魔法というものを殆ど知らない木連の兵士達は、驚愕の視線を向けてくるが……俺はそれに構わず影槍を操る。
影精を練り込み、細いロープ状にすると北辰の腕と足をそれぞれ縛り付ける。
幾ら北辰が現状を何とかしようとしても、魔法や気が使えないのであれば現状ではどうにもならない。
そのまましっかりと影槍によって縛り上げられた北辰は、眦を鋭くして俺へと視線を向けてくる。
やはり今の状況で何かしようとしていたのだろうが……残念だったな。
こうして木連の暗部とも言えるだろう北辰達を完全に捕らえた俺達は、意気揚々と司令室へと戻るのだった。
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