機動戦艦ナデシコ
1429話
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…まぁ、直接見ればはっきりするが」
そこまで呟き、ふとここが司令室なのだという事を思い出す。
「ああ、もしかしたら映像とかで確認出来るんじゃないか?」
俺の口から出た言葉に、高杉が白鳥へと視線を向ける。
その視線を受けた白鳥は、すぐに頷いて部下へと指示を出す。
司令室にある映像モニタの1つが次々と映している映像を変えていき……やがて、その光景が映し出される。
純白の炎、白炎によって生み出された獅子や虎といった炎獣により身体を押さえつけられている北辰達。
見るからにファンタジーな光景ではあり、事実その映像を見た木連の兵士達はそれぞれ驚愕の声を上げる。
同時にそれは他の者達に興味を抱かせ、映像モニタにより多くの視線を集める事になる。
「ほら、お前達! まだ戦いは続いているんだぞ! 今も戦場で戦っている者達の事を考えろ!」
白鳥の口から出た言葉に、慌てて兵士達は自分の仕事へと戻っていく。
いやまぁ、分かっていたけど効果絶大だな。
「ま、こんな感じで捕らえた訳だ」
「は、はぁ……いや、その、何て言えばいいのか……そもそもあの獣は何なんですか?」
高杉が我に返って尋ねてくるが、小さく肩を竦めてから口を開く。
「炎獣……そうだな、お前達にも分かりやすく言えば簡易的な使い魔のようなものだ」
ゲキガンガーしかなかった木連だけに、ファンタジー系の単語が通じるかどうか迷ったが、どうやら普通に通じたらしい。
高杉と……それと仕事をしながらも俺の方へと意識を向けていた木連の兵士達がそれぞれ納得したように頷いていた。
「その、白い炎で出来てるように見えるんですが、火事とかは……」
惑星上であればまだしも、ここは都市艦。あくまでも宇宙空間にある場所だ。
都市艦の中で火事になるような事になれば、致命的なまでに被害は大きくなるだろう。
「安心しろ。あれば魔法的な炎だ。映像をアップにしてみれば分かると思うが、あの刺客達……北辰とかいう名前だったと思うが、炎獣に触れているのに火傷はしてないだろ?」
戦いの時であれば、炎獣も自分の炎を使って攻撃したかもしれないが、今はもう生け捕りにしたのだ。なのに、わざわざここで虐待するような真似をする筈もなく、ただ動けないように上から足で押さえつけ、もしくは大蛇のように身体に巻き付いて締め上げ、といった風に動きを封じていた。
見た目は色々と衝撃的で刺激的で恐怖的ですらあるが、やってる事は普通に取り押さえているに過ぎない。
「は、はぁ。……そんなものなんですか」
高杉も神楽坂が今回の件に参加していなかった事に安堵したのか、そんな言葉を告げてくる。
早く新しい恋を探せばいいのにな。……いや、そう簡単に忘れられるものじゃ
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