暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
機動戦艦ナデシコ
1428話
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「ありがとう、ありがとう……本当にもう駄目かと思ってたよ」
「あはは。大袈裟やなー。ウチが回復させなくても、死ぬことはなかったで」

 いや、普通の人間なら内臓がはみ出る程の傷を負えば、助からないから。
 そんな突っ込みを入れたくなるのは、当然だろう。
 怪我をした木連の兵士達が近衛を見る目は、もはや女神を見る目に近い。
 近衛以外にも、桜咲は元々神鳴流の訓練で怪我をするのは珍しくない為か、近衛が治療をするまでもない軽い傷の手当てを次々に施していく。
 エリナと神楽坂の2人は、包帯を持ってきたり、お湯を持ってきたりといった雑用をこなしている。
 ……エリナは最初少し渋っていたのだが、それでも近衛の純真な視線で頼まれると否とは言えなかった。
 近衛は時々微妙にブラックになる事があるって話を以前誰かから聞いたんだが、俺から見る限りだと普通に見えるんだけどな。

「ほら! お前が治ったらこれをやる! だからしっかりしろ!」
「それは、ゲキガンシール!? それも、見た事がない奴!」

 怪我人がヤマダの見せたシールに驚愕の声を上げる。
 いや、それだけではない。周囲にいる他の木連の兵士達までもがヤマダの持っているシールへと視線を向けていた。
 ……何だか、回復魔法とか使わなくても、ゲキガングッズを使えばあっさりと回復しそうな気がするな。
 さすがにそれで回復するのは、軽傷の者に限られるだろうが。
 正直なところ、回復させるという意味では空間倉庫の中に入っているネギま世界のエリクシールを使えば、殆どがその場で全快するだろう。
 だが、白鳥には悪いが、エリクシールをこんな場所で使う訳にはいかなかった。
 そう、例えこの兵士達が死んだとしても、だ。
 シャドウミラーにとって利益のある人物や、俺にとって大事な人間が死にそうになっているのであればエリクシールを使うのも仕方がないと思う。……グリューノに使おうとしたように。
 ただ、結果としてグリューノが己の死を以て連合軍のやってきた事に対する謝罪としたからこそ、白鳥達が草壁に盲目的に従うといった真似をしなくなったのだと考えると……正直、微妙だよな。
 そんな風に考えながら、治療している光景を眺めていると……不意に、気配を感じて入り口の方へと視線を向ける。
 正確にはこの部屋の入り口ではなく、もっと離れた場所にある気配だ。
 純粋に気配だけであれば、この基地には多くの者がいるのだから気にする事はなかっただろう。
 だが……殺気混じりの気配を消そうとしている者が、それも複数いるとなれば話は別だった。
 この状況でこんな奴等がやって来たとなると、恐らく草壁の手の者と考えて間違いはない。
 以前に俺を襲ってきた笠の男の件や、月臣の時に襲ってきた笠の男の件を考えると、恐らく笠を身に
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