暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第40話
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
不安そうな表情をしている中、レンは話を続けた後クレア大尉に訊ねた。



「………ええ。もし本当にそのような状況が実現しましたら、6対2でレンさんとフィーさんが不利な状況なのですから、”正当防衛”が成立する上殿下達の人命救助という大義名分もありますから、例えお二人がテロリスト達を殺害したとしても罪にはならなかったでしょうね。――――むしろ、それどころか皇帝陛下がレンさんとフィーさんに感謝してお二人に勲章を贈ったり、テロリスト達を殺害した件でお二人を責める人々を陛下の権限で黙らせると思います。陛下にとって大切なご息女であられる皇女殿下とアルノール皇家と親しい間柄である”シュバルツァー男爵家”のご息女であられるエリゼさんを救出し、帝都を騒がせたテロリスト達を無力化したのですから。」

「…………………」

「ハア………ちょっと、レン。幾ら犯罪者相手でも”人を殺す覚悟をしろ”なんて話、この子達にはまだ早すぎるわよ。この場にはリィン達だけでなく、戦いとは無縁の皇女殿下やリィンの妹もいるのよ?」

クレア大尉の答えを聞いたリィン達がそれぞれ重苦しい雰囲気を纏って黙っている中サラ教官が呆れた表情で溜息を吐いてレンに指摘した。

「あら、リィンお兄さん達は”士官学院生”――――”軍人の卵”なんだから、”敵を殺す覚悟”はあって当たり前でしょうし、エリゼお姉さんやお姫様だって貴族に皇族なんだから、ユーシスお兄さんがよく口にしている”貴族の義務(ノブレスオブリージュ)”を果たす為に民を守る貴族や皇族として民に危害を加える”賊”を最悪殺す覚悟がある事は当たり前だと思うのだけど?実際クローゼお姉さん――――クローディア姫は”戦い”を嫌ってはいるけど”祖国を守る為に自らの手で敵を排除する覚悟”もあったからこそ、結果的には敵、味方共に死人は出なかったけどクーデターや”リベールの異変”の時もレン達と一緒に戦ったし。」

「……………」

「レンさん………」

「ぐっ………ちなみにテロリスト達の幹部ってのはあんたの見立てだとどのくらいの強さだったのかしら?」

レンの厳しい意見であり、正論でもある話を聞いたアルフィン皇女は辛そうな表情で顔を俯かせ、エリゼは複雑そうな表情でレンを見つめ、レンの正論に対して反論できなかった為唸り声を上げたサラ教官は話を変える為にレンにある事を訊ねた。



「そうね……”C”っていう仮面の男はサラお姉さんと同じレベルね。”V”って言う大男の方は高ランクの猟兵団の部隊長クラスで、”S”っていう眼帯のお姉さんはC〜B級遊撃士レベルって所かしら。」

「そう…………」

「レン……あの時俺達に退くように言ったのは、もし戦闘になったら”俺達が足手纏いになる”からでもあったのか?」

「リィン………」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ