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『八神はやて』は舞い降りた
第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第46話 ドラグ・スレイブ
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だ。
 残された陣営は、遠巻きにして応援するにとどめる。


 レーティングゲームとしては異様な内容だった。
 が、みな観客も含め、若手最強の武闘派悪魔と急速に名をあげつつある赤龍帝の勝負に見惚れる。
 小猫とともにザフィーラの指導を受けた一誠はさらに力に磨きをかけていた。
 両者とも一歩も引かない世紀の大決戦といってよい。
 それだけに苛立ちが募る。


「目的? 正々堂々と戦いもせず禍の団に落ち延びたテロリストごときが、調子に乗るなよ?」
「俺たちの闘いの邪魔をしたんだ。ただで済むと思うな」
「くっ、劣等種ごときが、その余裕もここまでだ」


 サイオラーグと一誠が闖入者に宣戦する。
 旧魔王派を名乗る悪魔が怒りの表情を浮かべると、周囲に数百を超えようかという魔法陣が展開し、無数の悪魔が出現した。
 

「さあ、足掻くがいい。おっと、外からの援軍は期待するなよ? 不当なる魔王やオーディンどももいまは動けまい」
「気を付けて一誠! 信じられないけれど、こいつら一人一人が上級悪魔並の力を持っているわ」


 リアスの忠告を受け、その場に戦慄が走る。
 サイオラーグもグレモリーもいまだ若手の中級悪魔なのだ。
 実力では上級悪魔にも劣らないと自負しているが、数が多すぎた。
 しかも、サーゼクスとまではいかないが、タンニーン並の魔力持ちまで複数居る。





 戦況は膠着している。
 グレモリー眷属とバアル眷属の共闘だが、連携は避けている。
 下手な連携をするよりも、それぞれ息の合ったチームで動く方が適切だからだ。



「木場、小猫、任せた!」
「任せて欲しい」
「はい、イッセー先輩」


 イッセー先輩は、私とユウト先輩に声をかけると、大将首をとりにいった。
 サイオラー・バアルもまた複数の最上級悪魔クラス相手に格闘戦を仕掛けている。
 敵の指揮官と中核となる戦力を釘付けにすることで、敵は数の利を生かせないでいた。


 私たちも部長の指揮のもと、チームワークで頑強に抵抗している。
 長期戦は私たちに不利。理由は、アーシア先輩の不在だ。
 体調を崩したらしく、レーティングゲームに参加できなかったのである。
 あと、修行に出ているギャー君もいない。


 これで何体の悪魔を倒しただろうか。
 私たちだけでももう百を超える悪魔を屠ったのに、一向に減っている気がしない。
 このままではジリ貧―――


「苦戦しているようだな、同志たちよ! われこそは四天王が一人――――」
「くっ、強いわね。ゼノヴィア、そっちお願い」
「このデュランダル、斬れないものはあんまりない!」
「ぐあああああ」


「四天王でも奴は最弱」
「くっ、強いわね
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